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47歳・小林正則、史上5番目のブランクVへ 「ヘッドが走る」パターでショットも復調

記録的な優勝に挑む47歳・小林正則。パットもショットも好調なベテランが、猛暑の芥屋で輝く。

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年8月25日 19時53分

今週からネオマレットパターに変更。シャフトを台に置いたときに、フェースが上を向くフェースバランスで、オートマチックに打てる
苦しんでいたパッティングを改善したことが、今大会のコーライグリーンでの好結果につながっている
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今週からネオマレットパターに変更。シャフトを台に置いたときに、フェースが上を向くフェースバランスで、オートマチックに打てる (撮影:ALBA)

<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2日目◇25日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7216ヤード・パー72>

2013年の「日本オープン」覇者、47歳の小林正則が6バーディ・2ボギーの「68」をマークして、トップと3打差のトータル9アンダー・6位タイに浮上してきた。勝てば13年以来9年と311日ぶり、史上5番目のブランクVとなる。

ヘッドが走る! 小林正則のネオマレット型パター【写真】

身長187センチの小林はドライバーの飛距離を武器に、2000年代からツアーで頭角を現した。一時はショットイップスに悩まされるも克服して、11年の「とおとうみ浜松オープン」では石川遼をプレーオフで下してツアー初優勝。翌12年には「アジアパシフィック パナソニックオープン」、そして13年には「日本オープン」を制し、3年連続でツアー勝利を挙げている。14年以降は低迷し、18年まであった日本オープン制覇による5年シードも切れてしまったが、22年に下部のABEMAツアーで賞金ランキング6位に入り、今季前半戦の出場権をつかんだ。

しかし、シード復活に期待がかかった今季は、ここまで10試合に出場して予選通過はわずか2回。最高成績は42位と苦しんでいた。そんな小林が久しぶりに優勝を狙える位置で週末を迎える。「ずっとパッティングで悩んでいて、ショットまでおかしくなっていた。でも練習ではショットに時間を割いていて、パットに時間をかけられない」と、長いプロ生活を経験していることもあって、不調の原因は本人もしっかり自覚していたが、解決策を見いだせずにいた。

8月上旬に行われた「横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜」のあと、ツアーは2週間のオープンウィークに入った。小林はそれを利用して何人かの仲間と北海道で合宿を敢行。「横浜が終わってから、少しパッティングのことを考えられる余裕ができた」と、パットにしっかり向き合い、基本に立ち返ることにした。

練習グリーンでは、打ってからすぐカップを見ないように意識しながら、ショートパットを繰り返していた
練習グリーンでは、打ってからすぐカップを見ないように意識しながら、ショートパットを繰り返していた
練習グリーンでは、打ってからすぐカップを見ないように意識しながら、ショートパットを繰り返していた
練習グリーンでは、打ってからすぐカップを見ないように意識しながら、ショートパットを繰り返していた
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練習グリーンでは、打ってからすぐカップを見ないように意識しながら、ショートパットを繰り返していた (撮影:ALBA)

小林が具体的に行ったのは「単純にヘッドアップしないこと」、そして「アドレスの前傾を深くすること」の2つ。これまではショートパットで早くカップを見てしまい、それがインパクトの緩みを引き起こしていた。練習では「インパクトでアジャストしないように、ヘッドがしっかり出るように」と意識したことで、初日は「28」パット、2日目は「29」パットとグリーン上の好結果につながっている。アドレスの前傾を深くした理由については、「そのほうが硬くなりにくいし、下を見やすい。ヘッドアップしたくないんだから」と話す。

それに加えて、今週はブレード型からネオマレット型パターにも変更。「ネックはどうしてもかえられない」と、ブレード型と同じクランクネックだが、シャフトを台に置いたときにフェース面が上を向くフェースバランスとなっている。そのパターが、「自分がわざわざ打ちにいかなくて、ちゃんとストロークさえすればヘッドが走ってくれる」と、小林がやりたい動きにマッチした。前傾は深くしたが、パターの長さは同じ35インチ。そして、「パットに時間をかけようと思ったらショットも良くなってきた」とゴルフ全体が復調してきた。

スコッティ・キャメロンのネオマレット型パター『ファントム X 11』はクランクネックの小林仕様
スコッティ・キャメロンのネオマレット型パター『ファントム X 11』はクランクネックの小林仕様
スコッティ・キャメロンのネオマレット型パター『ファントム X 11』はクランクネックの小林仕様
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スコッティ・キャメロンのネオマレット型パター『ファントム X 11』はクランクネックの小林仕様 (撮影:ALBA)

およそ10年ぶりのツアー優勝を十分に狙える位置で迎える決勝ラウンド。「相手を意識する余裕はないから、コースと自分との勝負だと思っている。あしたもあさっても60台で回れば僕は十分」とベテランに気負いはない。一方で、10年前に比べてツアーのレベルが上がっていることも実感している。「今までなら『予選は通るかな』というところで落ちるわけだから、明らかにレベルは上がっている。ただの60台では、絶対に上位にはいけないと思う」。

来週の「フジサンケイクラシック」が終わるとリランキングが行われ、後半戦の出場優先順位が決まる。小林はここまで苦戦していることもあって、暫定リランキングは58位。このままでは後半戦の試合に出るのは厳しくなる。たとえ優勝に届かなくても、シード返り咲きのためには、上位に入って1円でも多く稼いでおかなくてはならない。

「この歳でゴルフをやらせてもらっているだけでも本当にありがたいこと。ダメだったらまたQTに行って頑張ればいいし、QTがダメだったらアジアンツアーに行けばいい。それはアジアンツアーに失礼かもしれないけどね」。プレーする場所にはこだわっていない。レギュラーか、QTか、アジアか、小林にとっては今年の運命を左右する戦いとなる。(文・下村耕平)

【国内男子ツアーのブランク優勝の記録】
1位 長谷川勝治 13年82日(80年静岡オープン~93年よみうりサッポロ)
2位 横田真一 13年19日(97年全日空オープン~10年キヤノンオープン)
3位 湯原信光 10年51日(92年ヨネックスオープン広島~02年久光製薬KBCオーガスタ)
4位 泉川ピート 9年318日(84年全日空オープン~94年NST新潟オープン)
※ 小林正則 9年311日(13年日本オープン~Sansan KBCオーガスタ)
5位 河野高明 9年304日(73年ファーストライト~83年かながわオープン)

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