今季から米国下部のコーン・フェリーツアーに挑戦している平田憲聖が一時帰国。3年ぶりにミズノの養老工場(岐阜県・ミズノテクニクス養老工場)を訪れて、クラブの調整を行った。1月はPGAツアーの「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で21位タイに入り、2月のコーン・フェリーツアー初戦では2位。海外4試合を終えた感想を語った。
「日本ツアーでは感じられないレベルの高さや環境の違いもありますが、昨年よりはうまく対応できていると思います。まだ4試合ですが、ゴルフの状態はいい。コーン・フェリーツアーで優勝するために、この4試合の経験を生かしていきたいです」
コーン・フェリーツアーのレベルについては、「飛距離の差はもちろんですが、飛ばす選手でもショートゲームがすごく上手い」と指摘。「日本との芝の違いもあるけど、ショートゲームが良くなればもっと上位で戦える手応えがあります」と、優勝へのカギは小技にあると話した。
今回の養老工場訪問の目的は、主にクラブ調整。「ウェッジは『ソニーオープン』から54度の『T-1』を使っていますが、他にも何本か海外に持っていっているので、ロフト角やライ角を微調整しました。形状は大きく変えていません」。
3月に一般発売される予定の新作『S-3アイアン』については、「最初のテストときからすごく良いと思いました。打感もいいし、抜けも良くなった。早くスイッチしたいと思っていますが、まだ海外でテストできていません。今は南米の試合が続いていて、アイアンを何セットも持っていけない。4月からは米国本土での試合が続くので、そこでうまく切り替えられたら」とテストを継続する予定だ。
初めて養老工場を訪れたのは中学3年生の頃。「僕にとって養老工場は聖地。中学生の頃はここに来るのが夢だったし、すごくうれしかった。プロのサインがたくさんあった。きょうは戻ってきた感じがして、昔を思い出します。やっぱりいいですね」。10年以上ミズノのクラブを使用している平田。信頼するクラフトマンたちとの再会を喜んだ。
2月22日には再び南米へ渡り、アルゼンチン、チリでの2試合に出場。慣れない環境での戦いが続く。
「思っていたより食事にもうまく対応できました。今季はコーンフェリー・ツアーが主戦場になると思うので、来年はPGAツアーに上がることが目標。メンバーカードを取れるように頑張りたいです」
雪が舞う養老工場から、気温30度のアルゼンチン・ブエノスアイレスへ。平田の取材は昨年12月の「日本シリーズ」以来だったが、わずか3カ月でたくましさを増し、充実感に満ちた表情を見せていた。(文・野中真一)