<日本オープン 事前情報◇9日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>
9月に3勝を挙げるなど今もっともノリに乗っている賞金ランキング1位の平田憲聖は、「勝ちたい大会」とナショナルオープン獲りを目標に掲げ、ジャンボ超えの記録もかかる。
プロとして初めて「日本オープン」に出場した昨年は、地元・茨木CCで優勝を狙ったが、悔しさも残る8位タイ。今年は2度目の挑戦となるが「日本オープンというタイトルはみんな欲しいと思って取り組んでいると思うし、僕もその一人。難しいセッティングなので、すべてにおいて優れていないと優勝できない。勝ちたい思いは強い」と語る。
プロアマとこの日の練習ラウンドで調整を終えると「とにかくラフが長い。グリーンも小さくて、長いクラブでグリーンを狙わないといけないこともあるので、いかにフェアウェイからセカンドが打てるか」とコース攻略のカギを挙げる。
昨年は22歳246日で「日本プロ」を制し、戦後最年少記録を更新した。また今季は9月の「パナソニックオープン」で年間4勝目を挙げたが、23歳301日での達成は2009年の石川遼(18歳17日)、2013年の松山英樹(21歳279日)に続く年少記録。歴史に名前を残している。
日本最古のプロ競技「日本プロ」に続き、ナショナルオープンの今大会を制することになれば、23歳322日でジャンボ尾崎の持つ27歳248日を上回る最年少記録。また、年間5勝目となると15年の金庚泰以来11人目(24例目)となり、これまたジャンボ尾崎が持つ26歳277日を更新することになる。
持ち前のステディさに加えて、飛距離アップが好結果につながっている。優勝という成功体験を重ねることで「緊張してミスをすることが減ってきました」と“慣れ”も大きいと話すが、転機の一つに今年の「関西オープン」があった。
首位と1打差の2位タイで最終日をスタートしたが、前半からボギーが先行。「73」と崩して5位タイに終わった。地元関西の試合で勝ちを逃し「あの経験は、けっこう来てますね」と振り返る。
「勝ちたいという気持ちが強すぎると普段と違うことをしちゃったり、普段のゴルフができないじゃないですか。そういう経験をしました。気合いを入れすぎると、やっぱり変わる。メンタルでゴルフって変わると思うので。それを(関西オープンで)経験したから、いい悪いがわかった」。クールな印象を与える平田だが、内には情熱を秘めている。
今大会も4勝を挙げて乗り込んできているが「シーズンが始まったときと変わらず、いつも通りという気持ちでやっています」。自らプレッシャーをかけたり、気合を入れ過ぎず、“自然体”でコースと向き合う。