＜ゴルフ日本シリーズJTカップ　初日◇29日◇東京よみうりカントリークラブ(7,023ヤード・パー70)＞

　国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の初日。逆転での賞金王を狙う谷口徹にいきなり赤信号が点滅した。「良いゴルフだったけど、パターが悪かった」と1アンダー11位タイとやや足踏みをしている間に、賞金ランク1位の藤田寛之は谷口が2010年に記録した大会レコードタイの“61”をマークして9アンダー単独首位発進。優勝しても藤田が単独16位以内なら逆転賞金王はならないだけに、初日から厳しい状況に追い込まれた。

藤田寛之、大会レコードタイで単独首位！同組谷口も意気消沈

　進化を続ける43歳に脱帽だ。「チャンスにつければ入るし、油断してたらまた入るし。こっちがかすんでいく」と、完璧なゴルフを見せた藤田に苦笑い。藤田とはこれまで何度も優勝争いを演じてきているが、「スキがなさすぎて。あんなすごいのは初めて見たかもしれない」とガッカリ。ラウンド中は何度も「もう帰ろうかな」とさじを投げたくなるほど、勢いの違いを見せ付けられた。

　藤田の好発進で賞金王の望みは薄くなったものの、今大会2年連続で2位の悔しさを晴らすチャンスはまだ残っている。「ああいう選手は武藤君(2日目最終組で藤田と同組)にまかせて、僕は明日別の選手と回るから自信を取り戻したい」。藤田の3連覇だけは阻止すべく、一歩後ろから逆襲のチャンスをうかがう。