だが、45歳のベテランは柔和な表情の中にいつも苦しさを抱えていた。昨年は終盤まで18年間守り続けたシード権が決まらず不安な日々を過ごした。「去年後半戦は全然夜眠れなかった。2日目の朝がきついんです。予選とおらなきゃって思って…」。ホテルに持ち込んだパターを手に取り、眠れるまでホテルの床でパター練習。今大会最終日前日の夜も夜中の2時に目が覚めて「パターを持ってウロウロしていた」緊張と孤独と戦い続けていた。
だが、日本最難関コースで緊張から解放された瞬間、そのすべては報われた。「産まれてから初めてなので嬉しかった。倉本さんにもスタート前に“最後のチャンスだぞ”と言われていたので(笑)」。初めて息子の前で掲げたトロフィーは日本最古のメジャータイトル。のんびり屋の優しいパパが、強くてかっこいいプロゴルファーになった瞬間だった。
だが、日本最難関コースで緊張から解放された瞬間、そのすべては報われた。「産まれてから初めてなので嬉しかった。倉本さんにもスタート前に“最後のチャンスだぞ”と言われていたので(笑)」。初めて息子の前で掲げたトロフィーは日本最古のメジャータイトル。のんびり屋の優しいパパが、強くてかっこいいプロゴルファーになった瞬間だった。