<関西オープン 初日◇16日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6869ヤード・パー70>
52歳の横田真一が日本最古のオープン競技の初日に上々のスタートを切った。国内シニアツアーを主戦場とする横田は今季初のレギュラーツアー参戦。4バーディ・1ボギーの「67」をマークし、3アンダー・4位タイで2日目を迎える。
「パターがことごとく入ったね。ショットもそんなにミスしなかった。パーオン率もよかった」とパーオンしたのは12回で、66.667%。アウトからのスタートで、出だしは平均スコアが『4.6175 』の494ヤードのパー4だった。最難関のホールで、ボギー発進となった。
だからといって流れが悪くなることはなく、「そのあとは連続でバーディも獲れましたしね」と4、5番でスコアを縮めた。好発進の要因は昨年秋口の“ある出来事”で取り入れた新スイングによるショットの安定感。実は初体験が関係している。
「コーチ契約をはじめてしまして、谷将貴さんと。去年の10月あたりかな…。そしたら教わった翌週のシニアツアーで久しぶりにトップ10入りをして、そこから6試合ぐらい続けてトップ10入りましたね」と50歳を過ぎて、初のコーチ契約を交わした。片山晋呉の4度の賞金王をサポートしているのが谷氏だ。
谷氏に教わるキッカケとなったのは、自身が行っている動画配信サービスYouTubeの『横田真一チャンネル』に出演してもらったときだった。
「谷さんは“シャットにレイドオフ”をやるから“この世一合わない”コーチだと思っていたんですけど、晋呉のコーチでどこかの会場にいて『YouTube撮らせてくださいよ」って言って。そのとき話を聞いていたら、『すごくいいな。それなら僕もできるな』って思って、そしたら翌週からトップ10に入ったんだよ」
心打たれた理由は「形ではなくて、感覚のなかで自然と持っていってくれる」ということ。グリップの持ち方で左手をかぶせたフックグリップなど形から入るのではなく、長年の繰り返し動作で癖づいた横田のスイングに対して、感覚で目的の動きに誘導してくれる。横田の感覚と噛み合う説明内容だったという。
調子を上げるキッカケとなったアドバイスは「先にコックをつくってしまってから上げること。もともと手首を“わなわな”と動かすようなことをしていた」。手首を柔らかく、アドレスからヘッドを地面に置いたまま手元からテイクバックを引いていく動きをしていた横田だが、テイクバックのときに手首の形を「カチッ」と決めてトップの位置に上げる。「そこからインパクトが締まってきた」とショットの安定差が増した。
ただ、今年に入って「しばらくやっていなかった」とYouTubeでレッスンなども提供している横田はさまざまな動きに挑戦しているため、大事なことを忘れていた。そして大会開催前に「前に言われたことを思い出して、改めてやった。『あ、それ忘れていた。そうだ、これやんなきゃ』って(笑)」。調子を取り戻した要因を思い出し、実践したところ初日のアンダーパープレーにつながった。
首位とは1打差で迎える第2ラウンドは「落っこちないように頑張ろうと思います」と、上位にいながらも予選通過を目標にして18ホールに挑む。「ぼくの好調の要因はシャフトを打ちまくったり、ボールを全メーカー打ったりして色々試していることもある」と笑顔を見せる。いつも中古クラブ屋巡りをし研究する横田。「その模様はYouTubeで(笑)」と最後はしっかり自身のチャンネルの宣伝も行い、練習に向かった。(文・高木彩音)