<パナソニックオープン 3日目◇22日◇千葉カントリークラブ 梅郷コース(7,130ヤード・パー71)>
2016年、3年ぶりにゴルフツアーのスポンサーに復帰したパナソニック。しかも、国内男子ツアー『パナソニックオープン』(2016年4月21〜24日、千葉CC梅郷コース)と、国内女子ステップ・アップ・ツアー(以下ステップ)『パナソニックオープンレディース』(2016年4月20〜22日、千葉CC野田コース)を同週に、かつ近隣で開催とあって話題を呼んだ。
来る東京五輪、松山英樹と錦織圭が共闘を誓った
そして、2年目となる今年も男子が千葉CC梅郷コース(2017年4月20〜23日)、女子が千葉CC野田コース(4月19〜21日)と、同じく目と鼻の先で開催。昨年は男子ツアーの半券を持っていれば『パナソニックオープンレディース』の観戦が可能(必ず男子ツアーの会場で受け付け)だったが、今年は女子の観戦だけもOKとなり、さらに無料開放。そのため日に1000人以上のギャラリーが詰め掛け、昨対比約3倍を記録した。
木・金曜日は1日に2つのツアーを観戦できる、現在のゴルフツアーの中ではレアなケースだが、なぜパナソニックは同週・近隣開催にこだわるのか。そこには2020年の東京五輪の存在があるという。
「われわれはメディアの立場ではないですが、ゴルフという競技を盛り上げていかなければいけない。2020年の東京五輪に向けて競技を身近に感じてもらい、興味を持ってもらう取り組みは必須だと考えています」。
と語るのは、同社の東京オリンピック・パラリンピック推進本部長・井戸正弘氏。満足度を高め、ギャラリー数を増やすための施策として、まずは話題性が欠かせなかったわけだ。
さらに1998年以来、パナソニックはTOP(The Olympic Partner)と題して世界イベントを支えてきた。同社の持つ技術によってゴルフ界にも貢献したいという思いがあり、その具体策が『パナソニックオープン』で披露されている。同社の最新技術『非接触バイタルセンシング技術』を生かした公式インターネット中継がそれで、プレーヤーの血管の収縮によって生じる肌の色の微妙な変化や心拍数をリアルタイムに推定。緊張感・ストレス状態を可視化し、メンタルの要素が強いといわれるゴルフにおいて、その中継に新風を吹き込んでいる。
「ゴルフ中継は本当に好きな人でなければ、なかなか注目して見ることができないのが現状だと思います。その中でわれわれの技術力を生かし、中継を盛り上げられないかと考え、エンターテインメント性を持たせようとしている中での試みです。平常で心拍数は60〜70ですが、打つ際にどう変化するのか? 実験では90を超える人もいました。これは今大会だけでなく、東京五輪へ向けての技術でもあります」(井戸氏)
もともとは簡単に脈拍が測れるよう健康器具などに使うために開発した技術だが、スポーツ現場では次々に実証実験がスタート。例えばスポンサーを努めるサッカーチームのガンバ大阪では、選手の脈拍を測りながら状態を把握し、選手交代や戦術変更をするといったような実験も行われているそうだ。
「ゴルフ中継ではショット軌道や、スイングスロー映像を流していますが、弊社の高解像度カメラを使いインパクト瞬間のフェースの角度、初速の数値などをテレビ画面に表示して、よりダイナミックなゴルフ中継を実現したいという思いもあります。とにかく、見ている人にとって興味深いコンテンツを作りたいのです。日本のスポーツビジネス市場は物販、施設利用などすべてを含め5兆円といわれていますが、アメリカでは16兆円を超えている。野球場はアメリカで"ボールパーク"といわれますが、ようやく日本でも東北楽天ゴールデンイーグルス(Koboパーク宮城)や広島東洋カープ(Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)など、エンターテイメントを含んだ枠組み作りが実現してきた。しかし、日本のゴルフツアーは現状でエンターテイメント性をなかなか打ち出せていない。ビジネスにつながっていきにくいのです」(井戸氏)
カメラ映像、照明、音響、セキュリティーなどハードの部分のみならず、解析技術などソフト面もスポーツ現場にどんどん投入していくことで、スポーツビジネスの活性化を図る。今回の男子ツアーでの試みは、その流れを加速させたいという狙いがある。
「アスリート、そしてアスリートを目指す子供たちが活躍するためのスポーツ施設整備の面で、弊社の技術を生かしていきたい。スポーツ事業全体を考えたときに、まだまだわれわれが参入できる部分はありますから」(井戸氏)
今年の『パナソニックオープン』で、新しいゴルフ中継の形が生まれるのだろうか。
2016年、3年ぶりにゴルフツアーのスポンサーに復帰したパナソニック。しかも、国内男子ツアー『パナソニックオープン』(2016年4月21〜24日、千葉CC梅郷コース)と、国内女子ステップ・アップ・ツアー(以下ステップ)『パナソニックオープンレディース』(2016年4月20〜22日、千葉CC野田コース)を同週に、かつ近隣で開催とあって話題を呼んだ。
来る東京五輪、松山英樹と錦織圭が共闘を誓った
そして、2年目となる今年も男子が千葉CC梅郷コース(2017年4月20〜23日)、女子が千葉CC野田コース(4月19〜21日)と、同じく目と鼻の先で開催。昨年は男子ツアーの半券を持っていれば『パナソニックオープンレディース』の観戦が可能(必ず男子ツアーの会場で受け付け)だったが、今年は女子の観戦だけもOKとなり、さらに無料開放。そのため日に1000人以上のギャラリーが詰め掛け、昨対比約3倍を記録した。
木・金曜日は1日に2つのツアーを観戦できる、現在のゴルフツアーの中ではレアなケースだが、なぜパナソニックは同週・近隣開催にこだわるのか。そこには2020年の東京五輪の存在があるという。
「われわれはメディアの立場ではないですが、ゴルフという競技を盛り上げていかなければいけない。2020年の東京五輪に向けて競技を身近に感じてもらい、興味を持ってもらう取り組みは必須だと考えています」。
と語るのは、同社の東京オリンピック・パラリンピック推進本部長・井戸正弘氏。満足度を高め、ギャラリー数を増やすための施策として、まずは話題性が欠かせなかったわけだ。
さらに1998年以来、パナソニックはTOP(The Olympic Partner)と題して世界イベントを支えてきた。同社の持つ技術によってゴルフ界にも貢献したいという思いがあり、その具体策が『パナソニックオープン』で披露されている。同社の最新技術『非接触バイタルセンシング技術』を生かした公式インターネット中継がそれで、プレーヤーの血管の収縮によって生じる肌の色の微妙な変化や心拍数をリアルタイムに推定。緊張感・ストレス状態を可視化し、メンタルの要素が強いといわれるゴルフにおいて、その中継に新風を吹き込んでいる。
「ゴルフ中継は本当に好きな人でなければ、なかなか注目して見ることができないのが現状だと思います。その中でわれわれの技術力を生かし、中継を盛り上げられないかと考え、エンターテインメント性を持たせようとしている中での試みです。平常で心拍数は60〜70ですが、打つ際にどう変化するのか? 実験では90を超える人もいました。これは今大会だけでなく、東京五輪へ向けての技術でもあります」(井戸氏)
もともとは簡単に脈拍が測れるよう健康器具などに使うために開発した技術だが、スポーツ現場では次々に実証実験がスタート。例えばスポンサーを努めるサッカーチームのガンバ大阪では、選手の脈拍を測りながら状態を把握し、選手交代や戦術変更をするといったような実験も行われているそうだ。
「ゴルフ中継ではショット軌道や、スイングスロー映像を流していますが、弊社の高解像度カメラを使いインパクト瞬間のフェースの角度、初速の数値などをテレビ画面に表示して、よりダイナミックなゴルフ中継を実現したいという思いもあります。とにかく、見ている人にとって興味深いコンテンツを作りたいのです。日本のスポーツビジネス市場は物販、施設利用などすべてを含め5兆円といわれていますが、アメリカでは16兆円を超えている。野球場はアメリカで"ボールパーク"といわれますが、ようやく日本でも東北楽天ゴールデンイーグルス(Koboパーク宮城)や広島東洋カープ(Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)など、エンターテイメントを含んだ枠組み作りが実現してきた。しかし、日本のゴルフツアーは現状でエンターテイメント性をなかなか打ち出せていない。ビジネスにつながっていきにくいのです」(井戸氏)
カメラ映像、照明、音響、セキュリティーなどハードの部分のみならず、解析技術などソフト面もスポーツ現場にどんどん投入していくことで、スポーツビジネスの活性化を図る。今回の男子ツアーでの試みは、その流れを加速させたいという狙いがある。
「アスリート、そしてアスリートを目指す子供たちが活躍するためのスポーツ施設整備の面で、弊社の技術を生かしていきたい。スポーツ事業全体を考えたときに、まだまだわれわれが参入できる部分はありますから」(井戸氏)
今年の『パナソニックオープン』で、新しいゴルフ中継の形が生まれるのだろうか。