<日本プロゴルフ選手権 事前情報◇26日◇恵庭カントリー倶楽部(北海道)◇7441ヤード・パー72>
2014年大会覇者で54歳の手嶋多一。今季はシニア、レギュラー、下部と3つのツアーを掛け持ちしており、レギュラーツアーは今週が3試合目となる。「もうこの年だから正直きついけど…」としながらも、密かに高いモチベーションで臨んでいる。
50歳を迎えた2018年まで22年連続でシードを保持。現在の主戦場はシニアだが、「若い選手と一緒にやって、自分のテンションを上げています。最近の選手がどれだけ飛ばすのかも見たいですしね」。レギュラーツアーに出場するための予選会もしっかり受験しており、「楽しいですよ」とスケジュールが合えば下部にも積極的だ。高いレベルで揉まれることで、自分の力を高める。国内シニアの賞金ランキングで上位に入り「海外シニアメジャーに出たい」という目標のためにもレギュラーツアーで刺激を受け続けているのだ。
そんな手嶋が見慣れないクラブを手にしていた。「新しい3番ウッドです」。ヘッドを見ると『ST-G』と刻印されている。STシリーズの新モデルと分かる。
手嶋といえばフェアウェイウッドに強いこだわりがあり、現在の3番ウッドは『MP-001』という15年以上前のモデルを使用している。新モデルは今週テストをしたばかりだが、「ヘッドが小ぶりで抜けがいいんです。ボールは上りやすくてコントロールもしやすい。そして風にも強いんです。(替える)手応えがあるので今週の投入もあるかも」とお気に入り。低重心の設計だがクラウン部にはカーボンの模様がなく、フルチタンというのが手嶋の手に馴染んでいるのかもしれない。
また練習場では同じ『ST-G』と刻印されたドライバーもテストしていた。「ちょっとつかまるんですよね」と少し調整が必要だが、今後のテスト次第ではこちらにスイッチする可能性もある。進化した道具に助けられながら、さらに高みを目指している。
ちなみに手嶋の他にもミズノ契約選手がこのドライバーをテストしていた。『ST-G』シリーズの後継機種でヘッド体積は440ccと小ぶり。重心位置を変化させて弾道チューニングが可能なのは健在だ。時松隆光は「すごくつかまりがいいです。僕はフェードヒッターですが、普通に打つとちょいドローになります。アマチュアのスライスに悩まれている方には、とてもいいクラブだと思います」と、アップライト設計のためつかまりがいいヘッドと教えてくれた。(文・小高拓)