<中日クラウンズ 事前情報◇1日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース (愛知県)◇6557ヤード・パー70>
1960年の第1回大会から愛知県の名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースを舞台に開催されている「中日クラウンズ」が今年で第64回目を迎える。“東洋のマスターズ”とも言われる歴史ある大会の地に、2004、06年大会で勝利している片山晋呉が今年も戻ってきた。
99年大会から和合を回っている片山は「1番芝が生えているね。たぶん20何回ぐらい出ているけど、一番生えているんじゃない」と今年のコースコンディションの変化を感じている。たしかに、芝生はしっかりとしていて春先に見られる薄くなっているところが見られなかった。さすがの名門が今年はより一層コンディションを仕上げてきた。
片山は続けて、「逆に簡単だね、今年は。去年よりもコースが易しい」と話す。総距離は6557ヤードと男子ツアーのなかでは極端に短い。ラフの長さもそこまで長くない。片山の「簡単」を聞くと、スコアの伸ばし合いになるのか? と思うところだが「伸びはしない。うん、伸ばし合いにはならん。このコースは」ときっぱり言い切った。
「世界一短くて、世界一スコアが出ない」
ドッグレッグが多く、さらにフラットなホールはほぼない。そして砲台グリーンの周りには“おいで”と声が聞こえてくるようなガードバンカーが待ち受けている。グリーンは硬く、スピードも速い。常に高低差や風の計算が重要となってくる。
そんな難易度の高い“和合戦”を制するためにはパー3のティショットが重要となるようだ。「パー3をいかに4日間、(パー3すべてで)16回でしょ。4日間で14回ぐらいパーオンさせると上位に行く」と片山は話す。「(グリーンに)乗らない。乗らないのよ」とそう簡単にボールをキャッチしてくれない意地悪なグリーンで、いかにパーオンさせるのか。そこがカギとなる。
パー3は全部で4つ。4番の池越え170ヤード、風の影響が強いといわれる7番の181ヤード、同コースのなかで一番距離が長い200ヤードの13番、大きな池がグリーン近くまで広がる17番の175ヤード。このなかでだれが“14回のパーオン”に成功することができるのか。ぜひ、パー3の戦いをその目で見てほしい。(文・高木彩音)