<日本オープン 最終日◇13日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>
ゴルファー日本一決定戦を制した今平周吾が吠えた。木下稜介と同スコアで迎えた最終18番。奥のピンに対して手前に乗せた今平は、15メートルを超えるロングパットをねじ込んで、右手を高々と突き上げた。
常にポーカーフェースで冷静なプレースタイル。そんな男が雄叫びをあげた。3位から出た最終日は、耐えるゴルフが続く中で、チャンスも決めきった。14番でも10メートルを超えるバーディパットを沈めるなど、後半はしぶとさも発揮した。
「今まで優勝した中で一番うれしい場面でした」と最後のパットを沈めた瞬間の気持ちはただただ最高の一言。「すごく興奮しました」と歓喜の場面を振り返る。今平“らしからぬ”ド派手なシーンだった。
最終組のひとつ前、後ろの組では木下が17番でバンカーからチップインバーディを決め、大歓声がこだました。「18番のセカンドショットでは木下さんがチップインしたのを歓声で気づいて、(18番は)パーでプレーオフに、という心境でした」と思った。矢先のスーパーパット、「日本オープン」史に残る優勝劇に自身も興奮がやまない。
「埼玉県でも、地元の地元。日本オープンというところで優勝できてすごくうれしく思います。またどんどん自分自身も大きくなっていきたい」。今季初優勝、通算10勝目。2018、19年賞金王が最高の結果を地元に届けた。