<マイナビABCチャンピオンシップ 最終日◇29日◇ABCゴルフ倶楽部(7,217ヤード・パー72)>
台風22号の接近による悪天候の影響で、最終日ラウンドが中止になった「マイナビABCチャンピオンシップ」は、第3ラウンドで首位に立っていた小鯛竜也のツアー初優勝で幕を閉じた。その裏でシーズン終盤を迎え、来季の賞金シード権獲得にかけた2人の男の決意を感じる一幕もあった。
【関連】グリーンに水たまりが…
ツアー通算3勝の丸山大輔は、2015年にシード権を喪失。昨季のチャレンジツアーの賞金ランキング2位の資格で今季前半戦の出場権を確保したが、今大会開幕前までの賞金ランキングは71位。同75位までに与えられるシード復帰までもうひと稼ぎしたいところだった。しかし、前週の時点では今大会の出場権を持っておらず、マンデートーナメントに出場して本戦への切符を狙うことにしたが、そこに至るまでに紆余曲折があった。
丸山は、千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブで行われていた「ブリヂストンオープン」に出場し、18位タイでフィニッシュ。「1円でも稼ぎたい」とマイナビABCチャンピオンシップのマンデートーナメントに出場するため、まずは羽田空港から大阪・伊丹空港へ空路向かった。しかし、台風21号の影響で飛行機が伊丹空港に着陸できず、羽田空港へ引き返すことに。ならばと、大きなキャディバッグとスーツケースを1人で運んでタクシーで品川駅へ向かった。品川駅から新大阪駅行きの新幹線に飛び乗ったところ、今度は岐阜県内のトンネルで漏水が原因と見られる停電が発生。乗っていた新幹線が名古屋でストップした。「車内では最初40分ほど停車というアナウンスだったけど、雨が降り続いていてすぐに解消するとは思えなかった」。名古屋駅で途中下車。既に深夜だったため、三重県に住む知り合いのキャディに、翌日、車で送ってもらう約束を取り付け、この日は名古屋駅近くのホテルにチェックインした。
翌朝は4時30分に名古屋を出発したが、今度は「名神(高速道路)が通行止め」に。「(マンデーの)スタート時間には間に合わないし、途中で(マンデーは)やらないかもとも思った」が、交通事情が混雑する中コースに向かい、到着したのは名古屋を出発してから5時間30分後の午前10時だった。しかし、台風21号の影響でコース内の300本の木が倒木するなど、復旧に時間を要していた。マンデーのスタート時間が4時間遅れたため、丸山はスタート時間に間に合った。「身体がガタガタだった」という9ホール決戦となったマンデーでは本戦の出場権は得られなかったが、ウェイティング1番だったため、マンデー終了後に本戦の出場が決まった。
本戦に入ると初日に47位タイ、2日目には27位タイと着実に順位をアップ。「先週もそうだったから、最終日のつもりでやった」という3日目。「頑張ったけど、雨の中だと飛距離も出ないし…」と耐えに耐えてこの日2アンダーで回り、トータル6アンダーの16位タイで最終日を迎えた。賞金ランクを上げるためにも、「やりたかったかと言えばやりたかったけど、(パワーがないと不利なので)雨の中だとやりたくなかった」という思いが入り交じった。結局、最終ラウンドは中止となり、順位も確定した。今回獲得した賞金142万5000円を加算した年間獲得賞金額は1092万4662円、賞金ランキングも68位に浮上し、目安となる昨季の同ランク75位だったチャプチャイ・ニラト(タイ)の1265万9371円までは、あと173万4709円となった。
「この後出るのが決まっているのは(HEIWAとカシオの)2試合だけど、(予選を突破して)4日間できれば75位はクリアできそう」と見通しを示した46歳のベテランは、途中いつくじけてもおかしくなかった困難を乗り越え、2シーズンぶりのシード復帰へ希望をつないだ。
一方、リスクを冒してまで初の賞金シード獲得に意欲を見せたのが、今大会開幕前まで賞金ランキング78位だった北村晃一。北村も昨季のチャレンジツアーの賞金ランキング10位の資格で今季の出場権を確保したが、この試合はウェイティングに回っていた。
台風22号の接近による悪天候の影響で、最終日ラウンドが中止になった「マイナビABCチャンピオンシップ」は、第3ラウンドで首位に立っていた小鯛竜也のツアー初優勝で幕を閉じた。その裏でシーズン終盤を迎え、来季の賞金シード権獲得にかけた2人の男の決意を感じる一幕もあった。
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ツアー通算3勝の丸山大輔は、2015年にシード権を喪失。昨季のチャレンジツアーの賞金ランキング2位の資格で今季前半戦の出場権を確保したが、今大会開幕前までの賞金ランキングは71位。同75位までに与えられるシード復帰までもうひと稼ぎしたいところだった。しかし、前週の時点では今大会の出場権を持っておらず、マンデートーナメントに出場して本戦への切符を狙うことにしたが、そこに至るまでに紆余曲折があった。
丸山は、千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブで行われていた「ブリヂストンオープン」に出場し、18位タイでフィニッシュ。「1円でも稼ぎたい」とマイナビABCチャンピオンシップのマンデートーナメントに出場するため、まずは羽田空港から大阪・伊丹空港へ空路向かった。しかし、台風21号の影響で飛行機が伊丹空港に着陸できず、羽田空港へ引き返すことに。ならばと、大きなキャディバッグとスーツケースを1人で運んでタクシーで品川駅へ向かった。品川駅から新大阪駅行きの新幹線に飛び乗ったところ、今度は岐阜県内のトンネルで漏水が原因と見られる停電が発生。乗っていた新幹線が名古屋でストップした。「車内では最初40分ほど停車というアナウンスだったけど、雨が降り続いていてすぐに解消するとは思えなかった」。名古屋駅で途中下車。既に深夜だったため、三重県に住む知り合いのキャディに、翌日、車で送ってもらう約束を取り付け、この日は名古屋駅近くのホテルにチェックインした。
翌朝は4時30分に名古屋を出発したが、今度は「名神(高速道路)が通行止め」に。「(マンデーの)スタート時間には間に合わないし、途中で(マンデーは)やらないかもとも思った」が、交通事情が混雑する中コースに向かい、到着したのは名古屋を出発してから5時間30分後の午前10時だった。しかし、台風21号の影響でコース内の300本の木が倒木するなど、復旧に時間を要していた。マンデーのスタート時間が4時間遅れたため、丸山はスタート時間に間に合った。「身体がガタガタだった」という9ホール決戦となったマンデーでは本戦の出場権は得られなかったが、ウェイティング1番だったため、マンデー終了後に本戦の出場が決まった。
本戦に入ると初日に47位タイ、2日目には27位タイと着実に順位をアップ。「先週もそうだったから、最終日のつもりでやった」という3日目。「頑張ったけど、雨の中だと飛距離も出ないし…」と耐えに耐えてこの日2アンダーで回り、トータル6アンダーの16位タイで最終日を迎えた。賞金ランクを上げるためにも、「やりたかったかと言えばやりたかったけど、(パワーがないと不利なので)雨の中だとやりたくなかった」という思いが入り交じった。結局、最終ラウンドは中止となり、順位も確定した。今回獲得した賞金142万5000円を加算した年間獲得賞金額は1092万4662円、賞金ランキングも68位に浮上し、目安となる昨季の同ランク75位だったチャプチャイ・ニラト(タイ)の1265万9371円までは、あと173万4709円となった。
「この後出るのが決まっているのは(HEIWAとカシオの)2試合だけど、(予選を突破して)4日間できれば75位はクリアできそう」と見通しを示した46歳のベテランは、途中いつくじけてもおかしくなかった困難を乗り越え、2シーズンぶりのシード復帰へ希望をつないだ。
一方、リスクを冒してまで初の賞金シード獲得に意欲を見せたのが、今大会開幕前まで賞金ランキング78位だった北村晃一。北村も昨季のチャレンジツアーの賞金ランキング10位の資格で今季の出場権を確保したが、この試合はウェイティングに回っていた。