<フジサンケイクラシック 初日◇29日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
今季初優勝を目指す河本力が8バーディ・1ボギーの「63」。7アンダーでロケットスタートを決めた。昨年大会を制した金谷拓実の4日間合計スコアはトータル8アンダー。1日であと1打に迫る好スコアをたたき出した。「目標としていたスコアは、2アンダーだったので、すごく満足ができるラウンドでした」と振り返った。
プロたちが口を揃えて「今年のコースで、1番難しい…」と嘆く“難攻不落”の富士桜。距離があり、ラフが長く、フェアウェイも狭い、タフなコースセッティングでも、自身の武器であるドライバーを握り続けた。「ティショットでレイアップするってなってもフェアウェイがめちゃくちゃ狭いので、レイアップしてラフ入れたら本当にバカだなって考えた。僕はドライバーを使いました」。5つあるパー3を除いた13ホールで8回、フェアウェイをキープした。
6月は海外メジャー「全米オープン」に出場。その後の3試合は予選落ちが続いていた。しかし、8月に入って以降、「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~」で予選通過を果たすと、先週の「Sansan KBCオーガスタ」では今季初のトップ10入りを果たした。
復調のきっけには、横浜ミナトの前に姉でプロゴルファーである河本結からアドバイスがあったという。「クラブの使い方だったり、アプローチの打ち方を教えてもらった。そこから、いいショットを打つ回数が増えてきて、自分の満足いくゴルフがある程度できてくるようになった。すごく手応えを感じてます」。
その直後の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー2勝目を挙げた姉の結。「姉の場合は、練習の量、質ともにすごい。やっぱりその質を見習うというか、すごいなと思います」。普段から“ストイック”な姿勢でゴルフに向き合っている姿を弟は見続けている。
そして、きょう29日は姉の26歳の誕生日だった。「今朝、おめでとうとLINEはしました。朝が早かったから返信はなかったですけど(笑)」。今週、女子ツアーに出場していない姉は、タイミングが合えばコースにくる予定。目の前で“恩返しV”をプレゼントするつもりだ。(文・神吉孝昌)