2月上旬に南米・コロンビアで開催された米国男子下部コーン・フェリーツアーを背中痛で途中棄権した蝉川泰果の痛みの原因が左肋骨の疲労骨折だったことが分かった。17日、生まれ故郷の兵庫・加東市で行われた社会貢献活動「蝉川泰果 Eagle Donation for Future Supported by 住友生命」の寄付贈呈式に出席した蝉川本人が明らかにした。
「左の背中側の第5~7の肋骨3本が疲労骨折していました。帰国しても痛みが引かず、病院でレントゲン、CT、MRI検査を受けたけど、なかなか原因が分からなくて、ホントようやく先週ですね。大学病院のMRI検査で分かりました」
蝉川は限定ながら出場資格のあった米下部ツアーに1月から参戦し、4戦目のコロンビアで行われた「アスタラ選手権」は2月6日の第1ラウンドで途中棄権。「前日のプロアマのときに朝起きたら背中が痛くなって、次の日は靴下もはけないくらいになっていた。痛み止めも効かなかったので棄権しました」。帰国後は痛みを抱えたまま3月1日には沖縄でのチャリティペアマッチにも出場していた。
現在はドクターストップがかかった状態でクラブは握っておらず、「復帰のメドは立っていません」と出場資格のある4月の米下部ツアーは回避。復帰の時期については「無理をすれば出られるかもしれないけど、どうしても患部に当たって、また出血すると思う」と回復具合を見ながら慎重に判断していく。
プロ3年目の昨季は主催者推薦などで米ツアー6試合に出場し、5月の「ザ・CJカップ・バイロン・ネルソン」で9位と健闘。今季の米下部ツアー出場の足がかりを得て、「今年はコーンフェリーでシードを取るか、上位に入ればPGAのツアーカードも…」の青写真を描いていたが、今回の故障で年々強くなっていた海外志向も軌道修正を余儀なくされた。
「今年は日本ツアーに集中しようと思っています。賞金王をとりたい。今はその気持ちが強いです」
米ツアー参戦の道を模索することが、今季の目標だったが、急がば回れの新たなターゲット。まずは体を万全に戻し、国内でキングを目指していく。(文・臼杵孝志)