「日本プロゴルフ選手権」最終日。藤本佳則とのプレーオフを制して逆転優勝を飾ったのは、50歳・谷口徹だった。2002年、07年と2度賞金王に輝き、年を重ねてもなお上位に立つベテランの強さの秘訣はどこにあるのか。
【写真】優勝を決めて雄たけびを上げる谷口徹
「体力の差を感じる、しんどい」と度々口にしていた谷口だが、本大会では衰えるどころか抜群のゴルフで観客を魅了した。オフの宮崎合宿をともにする岩田寛は、「飛距離は確かに落ちてきたかもしれませんが、アプローチとパターがまったく錆びない」と間近で体感した技術力の高さを語った。
ツアー初優勝を挙げた1998年から昨年までの20年間で、平均パット数でのトップ10入りは15回。2000年、02年、06年、15年の4度1位に輝いている。本大会では「パットが狙えるところにあれば、なんとかなると思ってやっていた」と本人が明かしたように、4日間を通しての平均パット数は1.7111回の9位タイに入っている。本大会のドライビングディスタンスは273.38ヤードの58位タイ。もともと飛距離では他の選手にリードを許しているが、持ち前のパット技術を武器に戦ってきた。
強さの秘密は熟練の技術だけではない。選手たちが次々と口にしたのは、ゴルフに対しての並々ならぬ執着だ。オフの合宿では、参加している選手の誰よりも早く練習を開始。「ジムのオープンと同時に入って、ウォームアップ、ウォーキングをして、基本的なことをしっかりやっていました。体力が衰えているなんて信じられない。それだけの努力をされている」と市原弘大は舌を巻く。今年合宿に参加した小鯛竜也も、「合宿を終えた後もすぐに練習をして、もっと飛ばすにはどうしたらいいかを研究されていました」と向上心の強さを目の当たりにした。
すべては、勝利への貪欲さの表れ。「一言でいうと、執念。それしか言葉が見当たらない」。最終日に同組で回った武藤俊憲も谷口の強さをそう表現する。「若い選手を見ていると、勝つ気があるのかと思ってしまう。調子が悪かったらだめとか、そんなのは関係ない」と優勝後の会見でつぶやいた谷口。年齢を重ね、体力の差を感じるからこそ、若手への苦言も口をつく。「優勝するために来ている。入れなきゃいけないときは、入れなきゃいけない。どんな手段でもパーをとらないといけない」。2012年以来遠のいていた6年ぶりの栄冠は、ゴルフの実力はもちろん、勝利への強い気持ちが導いたに違いない。
■谷口徹 1998年から2017年までの平均パット数/ドライビングディスタンス
1998年:1.8014回(54位)/259.82ヤード(79位)
1999年:1.7599回(5位)/266.98ヤード(52位)
2000年:1.7322回(1位)/268.19ヤード(54位)
2001年:1.7474回(6位)/272.84ヤード(75位)
2002年:1.7247回(1位)/280.07ヤード(47位)
2003年:1.7591回(6位)/271.11ヤード(98位)
2004年:1.7394回(2位)/274.13ヤード(85位)
2005年:1.7459回(3位)/273.56ヤード(95位)
2006年:1.7236回(1位)/269.06ヤード(104位)
2007年:1.7582回(2位)/265.9ヤード(103位)
2008年:1.7675回(5位T)/268.24ヤード(88T位)
2009年:1.7494回(9位)/263.48ヤード(98位)
2010年:1.7515回(10位)/274.16ヤード(77位)
2011年:1.7437回(5位)/270.45ヤード(84位)
2012年:1.738回(3位)/269.93ヤード(100位)
2013年:1.8036回(65位)/267.5ヤード(92位)
2014年:1.7871回(54位)/268.73ヤード(89位)
2015年:1.7295回(1位)/268.88ヤード(83位)
2016年:1.7632回(13位)/267.03ヤード(84位)
2017年:1.7785回(30位)/266.36ヤード(99位)
2018年:1.7417回(13位)/261.47ヤード(127位)
【写真】優勝を決めて雄たけびを上げる谷口徹
「体力の差を感じる、しんどい」と度々口にしていた谷口だが、本大会では衰えるどころか抜群のゴルフで観客を魅了した。オフの宮崎合宿をともにする岩田寛は、「飛距離は確かに落ちてきたかもしれませんが、アプローチとパターがまったく錆びない」と間近で体感した技術力の高さを語った。
ツアー初優勝を挙げた1998年から昨年までの20年間で、平均パット数でのトップ10入りは15回。2000年、02年、06年、15年の4度1位に輝いている。本大会では「パットが狙えるところにあれば、なんとかなると思ってやっていた」と本人が明かしたように、4日間を通しての平均パット数は1.7111回の9位タイに入っている。本大会のドライビングディスタンスは273.38ヤードの58位タイ。もともと飛距離では他の選手にリードを許しているが、持ち前のパット技術を武器に戦ってきた。
強さの秘密は熟練の技術だけではない。選手たちが次々と口にしたのは、ゴルフに対しての並々ならぬ執着だ。オフの合宿では、参加している選手の誰よりも早く練習を開始。「ジムのオープンと同時に入って、ウォームアップ、ウォーキングをして、基本的なことをしっかりやっていました。体力が衰えているなんて信じられない。それだけの努力をされている」と市原弘大は舌を巻く。今年合宿に参加した小鯛竜也も、「合宿を終えた後もすぐに練習をして、もっと飛ばすにはどうしたらいいかを研究されていました」と向上心の強さを目の当たりにした。
すべては、勝利への貪欲さの表れ。「一言でいうと、執念。それしか言葉が見当たらない」。最終日に同組で回った武藤俊憲も谷口の強さをそう表現する。「若い選手を見ていると、勝つ気があるのかと思ってしまう。調子が悪かったらだめとか、そんなのは関係ない」と優勝後の会見でつぶやいた谷口。年齢を重ね、体力の差を感じるからこそ、若手への苦言も口をつく。「優勝するために来ている。入れなきゃいけないときは、入れなきゃいけない。どんな手段でもパーをとらないといけない」。2012年以来遠のいていた6年ぶりの栄冠は、ゴルフの実力はもちろん、勝利への強い気持ちが導いたに違いない。
■谷口徹 1998年から2017年までの平均パット数/ドライビングディスタンス
1998年:1.8014回(54位)/259.82ヤード(79位)
1999年:1.7599回(5位)/266.98ヤード(52位)
2000年:1.7322回(1位)/268.19ヤード(54位)
2001年:1.7474回(6位)/272.84ヤード(75位)
2002年:1.7247回(1位)/280.07ヤード(47位)
2003年:1.7591回(6位)/271.11ヤード(98位)
2004年:1.7394回(2位)/274.13ヤード(85位)
2005年:1.7459回(3位)/273.56ヤード(95位)
2006年:1.7236回(1位)/269.06ヤード(104位)
2007年:1.7582回(2位)/265.9ヤード(103位)
2008年:1.7675回(5位T)/268.24ヤード(88T位)
2009年:1.7494回(9位)/263.48ヤード(98位)
2010年:1.7515回(10位)/274.16ヤード(77位)
2011年:1.7437回(5位)/270.45ヤード(84位)
2012年:1.738回(3位)/269.93ヤード(100位)
2013年:1.8036回(65位)/267.5ヤード(92位)
2014年:1.7871回(54位)/268.73ヤード(89位)
2015年:1.7295回(1位)/268.88ヤード(83位)
2016年:1.7632回(13位)/267.03ヤード(84位)
2017年:1.7785回(30位)/266.36ヤード(99位)
2018年:1.7417回(13位)/261.47ヤード(127位)