<ミズノオープン 最終日◇27日◇ザ・ロイヤルゴルフクラブ(8,007ヤード・パー72)>
「全英オープン」への出場権が懸かった大一番に、国内ツアーを代表する選手たちが不在。「〜全英への道〜ミズノオープン」でのことだ。今年、国内復帰を果たした石川遼は出場したが、多くの選手は海外ツアーへと飛び立っている。
【写真】見事に全英オープン出場権を勝ち取った4人
谷原秀人は昨年から欧州ツアーの主力メンバーとなり、宮里優作も欧州を転戦しながら、同時に米ツアーへも挑戦。池田勇太も出場権がある海外の試合に出て行くなど、トップ選手の流出が止まらない。4月の米ツアー「RBCヘリテイジ」で優勝した小平智も米国を主戦場に選んだ。
そんな状況は国内男子ツアーにどんな影響を及ぼしているのか。年初に行われた日亜共同主管2試合を除いて、国内で行われている4月からの日本ツアーでは、フレッシュな顔ぶれが活躍し、ベテランの復活などもあり、男子ツアー人気復活の兆しが見えている。石川効果もあるのは確かだが、全体的な日本ツアーのポテンシャルが高くなっているのも理由の1つだ。
ミズノオープンでは、優勝争いを演じた高橋賢(たかはし・まさる)という選手がスポットライトを浴びた。プロ転向後、国内試合の出場権を得られずにアジアンツアーに飛び出した。そこで下部ツアーを主戦場に昨年まで戦い、通算2勝。昨年は賞金ランクも2位に入った。今季はアジアンツアーのレギュラー出場権もあるが、日本の下部ツアーにもチャレンジしている。
今回は出場権が下りてきての挑戦。静かだがたくましさを身にまとい、アジアでもまれた男が、8000ヤード級のコースで黙々とプレーする姿は新鮮だった。最終結果は6位タイだが、「よくやったと思う」と胸を張った。突如現れた逆輸入プロの活躍が見どころの1つになった。
今年はその高橋が主戦場としていたアジア下部ツアーで2人の日本人が優勝を挙げている。ともに20代前半の長谷川祥平と比嘉一貴。国内の出場権を得られずに、アジアに飛び立ってすぐのことだった。高橋も含めて、アジアで武者修行を重ね、たくましくなって日本に戻ってくる。そんなルートがより確立されれば、日本ツアーのレベルアップにつながるのは間違いない。
もちろん、米ツアーや欧州ツアーにいきなり出られるチャンスはそうそうあるわけではない。しかし、高橋、長谷川、比嘉を含めて、下部ツアーとはいえ、アジアで優勝という勲章を手にすれば自信にもつながるだろうし、あまり知られてはいないが、アジアンツアーや欧州ツアーとパートナーシップを結ぶ中国ツアーに進出している日本人も増えている。
今年から参戦している岩井亮磨はすでに4試合に出場。「日本人は常に3、4人は出場している感じで、登録自体(をしている選手)はもっといると思います。移動やホテルでいろいろと大変なことがありますけど、試合に出たいので」と、慣れない環境に身を投じて、ステップアップを目指している。
ツアーがあるところに出て行く日本人。そんな選手たちが国内に戻ってきたとき、宮里や小平不在のツアーで主力になっていくことを期待したい。(文・高桑均)
「全英オープン」への出場権が懸かった大一番に、国内ツアーを代表する選手たちが不在。「〜全英への道〜ミズノオープン」でのことだ。今年、国内復帰を果たした石川遼は出場したが、多くの選手は海外ツアーへと飛び立っている。
【写真】見事に全英オープン出場権を勝ち取った4人
谷原秀人は昨年から欧州ツアーの主力メンバーとなり、宮里優作も欧州を転戦しながら、同時に米ツアーへも挑戦。池田勇太も出場権がある海外の試合に出て行くなど、トップ選手の流出が止まらない。4月の米ツアー「RBCヘリテイジ」で優勝した小平智も米国を主戦場に選んだ。
そんな状況は国内男子ツアーにどんな影響を及ぼしているのか。年初に行われた日亜共同主管2試合を除いて、国内で行われている4月からの日本ツアーでは、フレッシュな顔ぶれが活躍し、ベテランの復活などもあり、男子ツアー人気復活の兆しが見えている。石川効果もあるのは確かだが、全体的な日本ツアーのポテンシャルが高くなっているのも理由の1つだ。
ミズノオープンでは、優勝争いを演じた高橋賢(たかはし・まさる)という選手がスポットライトを浴びた。プロ転向後、国内試合の出場権を得られずにアジアンツアーに飛び出した。そこで下部ツアーを主戦場に昨年まで戦い、通算2勝。昨年は賞金ランクも2位に入った。今季はアジアンツアーのレギュラー出場権もあるが、日本の下部ツアーにもチャレンジしている。
今回は出場権が下りてきての挑戦。静かだがたくましさを身にまとい、アジアでもまれた男が、8000ヤード級のコースで黙々とプレーする姿は新鮮だった。最終結果は6位タイだが、「よくやったと思う」と胸を張った。突如現れた逆輸入プロの活躍が見どころの1つになった。
今年はその高橋が主戦場としていたアジア下部ツアーで2人の日本人が優勝を挙げている。ともに20代前半の長谷川祥平と比嘉一貴。国内の出場権を得られずに、アジアに飛び立ってすぐのことだった。高橋も含めて、アジアで武者修行を重ね、たくましくなって日本に戻ってくる。そんなルートがより確立されれば、日本ツアーのレベルアップにつながるのは間違いない。
もちろん、米ツアーや欧州ツアーにいきなり出られるチャンスはそうそうあるわけではない。しかし、高橋、長谷川、比嘉を含めて、下部ツアーとはいえ、アジアで優勝という勲章を手にすれば自信にもつながるだろうし、あまり知られてはいないが、アジアンツアーや欧州ツアーとパートナーシップを結ぶ中国ツアーに進出している日本人も増えている。
今年から参戦している岩井亮磨はすでに4試合に出場。「日本人は常に3、4人は出場している感じで、登録自体(をしている選手)はもっといると思います。移動やホテルでいろいろと大変なことがありますけど、試合に出たいので」と、慣れない環境に身を投じて、ステップアップを目指している。
ツアーがあるところに出て行く日本人。そんな選手たちが国内に戻ってきたとき、宮里や小平不在のツアーで主力になっていくことを期待したい。(文・高桑均)