＜キヤノンオープン　最終日＞◇11日◇戸塚カントリー倶楽部(7,167ヤード・パー72)

　今週の主役はやっぱり“若大将”だった。神奈川県にある戸塚カントリー倶楽部・西コースで開催された国内男子ツアー「キヤノンオープン」の最終日。首位と3打差の3位タイでスタートした池田勇太が、第1ラウンドと同じくこの日もコースレコードタイの“64”をたたき出す圧巻のラウンドで今季3勝目を挙げた。

池田勇太、スコア伸ばせず3位タイに後退…

　池田のスコアが動いたのは2番パー5から。2打目をアゴの高いガードバンカーに入れるもそこからピン横1メートルに寄せバーディを奪取すると、続く3番、4番と、どちらも2打目をピンから1メートル以内に寄せるスーパーショット。3連続バーディで一気に首位との差を詰めた。「ここからまたスタートだな、と思った」と気合いを入れなおした池田は、6、7番と連続バーディ、そして9番でもバーディを奪取。ドライバーは思い通りの球が打てず、ファーストカットに行くことが多かったが、アイアンとショートゲームが冴え渡り1度たりともピンチを迎えることなく、前半だけで6つスコアを伸ばし独走態勢に。後半に入っても12、13番で連続バーディを奪取し、この日8バーディ・ノーボギー、トータル16アンダーで2位に4打差をつけ完勝。ギャラリーから「池田を見てるとゴルフが簡単に思える」という感嘆の声が聞こえてくるぐらいの完璧なラウンド。「思ったよりコロがらなかった」という14番パー3で、1メートルのパーパットを残したのが唯一のちょっとしたピンチだった。

　この優勝で今季の獲得賞金は118,028,750円と1億円を突破。これを聞いた池田は「次は1億5,000万だな」と満面の笑顔で次の目標を口にした。これで現在賞金ランキング1位の石川遼とは200万円差。「やってる時は歳は関係ない。彼はプロとして上手いと思う」というライバルとは来週の「日本オープン選手権競技」で激突する。「ドライバーがだいぶ不安」という以外はすべての面で好調の池田と、プレジデンツカップでまた一回り成長して帰ってくるであろう石川、これから佳境を迎える若獅子2人の賞金王争いはさらに熱を帯びてきた。

　昨日トップだった久保谷健一は「気持ちは3日間一緒だったけど、今日は見違えるほどティショットが曲がってしまった…立て直しがきかなかった」と悔やまれるラウンドに終わってしまった。結果は2バーディ、2ボギーでトータル11アンダーと昨日からスコアを伸ばせず4位。2位タイにはこの日6つスコアを伸ばした近藤共弘と、ハン・リー（米国）が入った。