＜ブリヂストンオープン　初日＞◇22日◇袖が浦カンツリークラブ・袖が浦コース(7,138ヤード・パー72)

　千葉県にある袖が浦カンツリークラブ・袖が浦コースで開幕した、国内男子ツアー「ブリヂストンオープン」の初日。石川遼は序盤からフラストレーションの溜まるゴルフ。INスタートの出だし12番ショートでボギーが先行すると、13番でのバーディを挟んで14番でもボギーを叩きスコアを落としてしまう。序盤パッとしない展開が続いていた石川に18番パー5で最初の見せ場がやってくる。パー5のセカンドは右に出るミスショットでグリーンに届かず傾斜をコロがり手前の池に。ギャラリーの落胆の声が響いたが、落ちたボールは運よく浅瀬に止まっておりボールが水面から顔を出していた。それを確認した石川にもはや打つ以外の選択肢はなかった。

「石川遼1打速報」で全ストロークを振り返る

　すでに靴下を脱ぎ池にやってきた石川は、準備万端で足首まで池に入り「どうぞ打ってくださいというところにあった」というボール目掛けてウェッジを一閃。ボールは水柱と共に池から飛び出しグリーン手前に見事生還した。この起死回生のウォーターショットで池ポチャからミラクルパーセーブ。しかし、いつもの石川ならばここから勢いに乗っていくところだが、この日はなかなかエンジンがかからない。2番でバーディを奪うも、6番ではティショットのミスからボギーを叩き、波に乗れないままホールだけが消化され1オーバーで残すは最終ホールのみとなった。

　ティグラウンドに来た時の石川の気持ちは「このロングでバーディを獲ってパープレーに出来れば」しかし、この日耐え続けた石川に、神様が最後におまけをくれた。ティショットを完璧な当たりでフェアウェイど真ん中に運ぶと、「あそこにつけることは不可能だと思っていた」という約260ヤードのセカンドをピン奥6メートルに2オン。そして、石川のパターから放たれたパットは下りのスライスラインに乗って見事にカップに吸い込まれイーグルフィニッシュ。「ちょっとうっぷんが溜まっていましたけど、最後に晴らせました」最後の最後で1アンダーとし、苦しんだ初日を最高のカタチで締めくくった。

　石川としてはパープレーで良しと考えていただけに、アンダーパーに入れたことは予選カットラインもちらつく中で精神的にも大きい。この日はショット、パット共に勝負どころで精度を欠いたがラウンド後はすぐに練習場で調整を行い、「今日以上のゴルフは出来ると思う」と復調に自信ものぞかせている。ビッグスコアも期待できるコースだけに明日以降の大爆発も十分にありそうだ。