<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇1日◇東京よみうりCC(東京都)◇7002ヤード・パー70>
逆転賞金王へのわずかな可能性を残していた石川遼だったが、2バーディ・2ボギーの「70」とスコアを伸ばせず、トータル1オーバー・18位タイで競技を終えた。
「アライメントの仕方を修正できた」とショットに手ごたえを感じながらバーディ発進を決めると、6番パー5でも1つ伸ばし、前半を『-2』で折り返した。しかし、「ミドルパットをショートさせたくないという気持ちが入って、タッチが強めになってしまった」とグリーン上での対応に苦しめられた。最終18番では3パットもあり、後半は2ボギー。イーブンパーのラウンドでシーズンを終えた。
「全体を通してロングパットのスピードと、アプローチのミスがあって、パーセーブしきれなかった。波に乗れないまま終わったという感じです」と最終日をこう振り返ったが、石川の表情は決して暗くない。「スコアは出なかったですが、自分なりには良かったと思います」と前向きだ。
3年連続15回目の最終戦出場となった石川は、2009年以来の“賞金王戴冠”の可能性を残していた。もちろん「今週はいいパフォーマンス、いいスコアを出す、という強い思いもありました。その中でスコアを出せなかったことは、今の自分の現状」と悔しさをにじませたが、賞金争いに持ち込めたことへの充実感もある。
「1年前は、あまり(賞金王争い)考えるというよりも、とにかくスイングであったり、ドライバーのショットでいっぱいいっぱいだった。そこへの対策が減りつつあって、スイングが良くなってきている」。だからこそ、今週の結果を悲観することはない。
シーズンが終了し、息つく暇もなく石川は次の戦いに向かう。12月3~6日にカリフォルニア州のバレンシアCCで行われる米ツアー2次予選会が控えている。2013年から米国男子ツアーに5年間参戦したが、優勝は達成できず。18年に主戦場を国内に戻したが、やはり米国への思いは捨てきれない。
「スイングは年々いい方向に行ってくれている。あとは180ヤード以上から、いかにバーディを取れるか。そのためにアイアンを練習しないといけないし、アプローチも練習しないといけない。ロングパットも。来週からやりたいことが山積みで、来年に向けてもやりたいことだらけ」
ゴルフへの飽くなき探求心は、昔も今も変わらない。スイングへの好材料を持って、石川が海を渡る。(文・齊藤啓介)