<ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 3日目◇22日◇PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)◇7039ヤード・パー70>
大会3日目にメジャー4勝のレジェンド、アーニー・エルス(南アフリカ)と同じ組で回った石川遼。2011年の世界選抜と米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」でもチームメイトとしてプレーしており、ティイングエリアでの待ち時間には談笑するシーンも見られた。
ともに「71」とスコアを1つ落としたラウンドで「お互いにベストなスコアではなかったですけど本当に楽しかったです」と振り返った石川。エルスのプレーの印象については「本人のなかではいろんなことを試行錯誤したり、当然クラブを替えたりスイングを変えたりしていると思うんですけど、大きな枠で見ると素晴らしい安定感を感じました」と話す。
全盛期はゆったり大きく振って見えるのに飛距離が出るため“ビッグ・イージー”と呼ばれたエルス。そのスイングを間近で見て、53歳となったレジェンドの変化も感じた。「昔はダウンスイングで左にシフトしていって、ハンドファーストに当ててドローを打っているような場面とか、ドローとフェードをすごく使い分けているイメージがあった」。それがいまは、「ドライバーは右足のほうに軸を置いて、その場で回転してフェードを打っていた」。
確かにティショットではドライバーで左から右に曲がるフェードを多用していたエルス。そのなかで石川は左足の使い方に注目している。「左足をあそこまで後ろに蹴るのは昔はなかった。たぶん、飛距離を落とさないようにする工夫なのかな。それは聞いてみないとわからないですけど」。インパクトまでは左足の位置は変わらないが、インパクト後には左足は開きながら斜め後ろに動く。これは右足に軸がないとできないことだ。
全盛期よりはさすがに飛距離は落ちたものの、米シニアツアーのスタッツでは平均292.9ヤードを記録してランキング6位につけているエルス。そして、きょうの最終日も再び石川とエルスは同組となった。スコアとともに、“右足”の蹴りを使って飛ばしたい石川と、“左足”の蹴りで飛距離を出すエルスのドライバーにも注目したい。(文・下村耕平)