「バーディいくつ取った？」

プロ通算113勝を誇るジャンボこと、尾崎将司。日本ゴルフ界のレジェンドだが、最近は後進の育成にも力を入れている。ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーを主宰し多くのジュニアを指導。女子プロとして活躍する原英莉花や西郷真央、笹生優花らを輩出している。

2020年のツアー外競技「ISPS HANDA医療従事者応援　ジャンボ尾崎記念チャリティトーナメント」には、国内男子ツアーのシード選手が多く出場したが、その舞台にアカデミー生を多く送り込んだ。会場に駆け付けたジャンボは、アカデミー生を見つけるとスコアを聞きながら、「バーディいくつ取った？」としきりに聞いていた。

その真意を聞くと、「プロはアンダーパーで戦う世界。アンダーパーにならないアマチュアは技術的なことが足りていない」とした上で、「バーディを取る楽しみ、喜びみたいな。自分に期待することがちょっとでも分かればね」と、プロの世界はバーディの大切さを説く。

さらに続けて、「バーディチャンスに着くけどパッティングがうまくいかないとなれば、もっとパッティングの内容を上げていかないといけないとか、（バーディを取るために）いろいろなことが考えられる。『ああ〜、これは失敗した。今度はこういう風にしていかないといけない』とね。バーディっていうのはね、プロゴルファー、若い子にとってこんな薬はない。池に1発入れたって、1個バーディ取ればいいんだもん。いい勉強になるだろうな、あいつら」。バーディを取るためには自分に何が足りないのか。自分で考えることで成長していくという。言葉一つからジャンボの教えが垣間見えた。