<日本プロゴルフ選手権 3日目◇6日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>
25歳の竹山昂成(たけやま・こうせい)がプロ日本一決定戦で善戦。トータル11アンダー・7位タイで最終日を迎える。
竹山は名門・東北福祉大ゴルフ部出身。同期には米澤蓮や杉原大河らがいる。2021年にQTに挑み、サードを通過した時点でプロ宣言した。プロ一年目となる22年はレギュラーツアー8試合に出場したが、最高位は「Sansan KBCオーガスタ」の58位だった。昨年は成績こそ振るわなかったものの、ファイナルQTに進出。今季自身2試合目となる日本プロには予選会を勝ち上がって出場権を得た。
初日からアンダーパーでのラウンドを続けて、3日目も「66」をマーク。前半こそ「ずっとグリーンをキャッチしていたんですが、1つも入らなかった」と9番でボギーが先に来るが、後半の10番でバウンスバックを決めると、そこから3連続バーディを奪取した。さらに15番、17番でも伸ばして上位を維持。「ショットはそこまで良くはないですが、無理せずいい場所から打てる時はピンを狙いに行った」と徹底的なマネジメントが功を奏した。
最大の武器は「アイアンショットですね」。それは数字にも表れており、3日目のパーオン率は「88.889%」で全体1位タイを記録した。3日間を通じて83.333%の2位と高水準で、スコアメークに大きく貢献している。
3日目は大学の1つ先輩の金谷拓実と同組。「小学校の頃から知り合いで、大学時代からご飯も一緒に行っている」と旧知の仲だ。ただ、試合で同組になったのはこれが初めて。「たわいもない普通の会話」を交わしたそうだが、そのプレーには舌を巻く。「ここと決めたら、そこに振り切るような、自信をもっている感じがすごい伝わった。もう全部が勉強になるので、一緒の空間にいるだけで上手くなった気分」と話す。
この日の金谷は「67」で、竹山の一歩先を行くトータル12アンダー・4位タイ。金谷に勝てる部分は「身長くらいしかないです(笑)」と、181センチと恵まれた体を持つ25歳は爽やかに笑った。1つ下の後輩・蝉川泰果も優勝争いを演じており、「一緒の舞台で戦いたいっていうのはすごくある」と同門から多くの刺激を貰った。
今季は国内男子下部のABEMAツアーがメーン。レギュラーツアーは来週行われる「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」のマンデートーナメント(主催者推薦選考会)に出場予定だ。「フジサンケイクラシック」(8月29~9月1日)終了後に行われるリランキング突破に向けて、今大会は重要な一戦。「ベストを尽くして、できるだけ上の順位でフィニッシュできたら」。炎天下の中、足早に練習場へと向かった。自身初のトップ10入りで道を切り開けるか。(文・齊藤啓介)