ミズノ契約の男女プロ12人が13日、兵庫・よみうりゴルフウエストコースで新製品の試打などを行うブランドアンバサダーズミーティングを開催した。参加したのは男子が杉浦悠太、手嶋多一、時松隆光、武藤俊憲、中山絹也、小鯛竜也、小林正則、桑原克典、佐藤信人の9人で、女子は仲村果乃、奥山純菜、森彩乃の3人。
真新しい「mizunoPro」のロゴが刻印されたプロトタイプのアイアンをテストした各プロは、異口同音に「打感がすごくいい」「抜けの良さを感じる」と絶賛。ミズノのアイアンはもともと打感の良さには定評があるが、新モデルはこれまで以上に極上の“音色”を奏でる。担当者が「打感に徹底的にこだわりました」という開発コンセプト。その意図はプロたちにもしっかり届いていた。
「多分、この中では僕が一番うるさいと思います」と自他ともに認めるご意見番の武藤も、ハーフキャビティの新モデルと現在使用しているマッスルバックの「ミズノプロ241」と比較して「マッスルバックと比べてもまったく遜色ない打感。フェイス面にボールがひっつく感じもすごくいい」と納得顔。2013年「日本オープン」覇者の小林も「きょう初めて打ったけど、すごくいい。ホントにいいです。マッスルバックに近い打感もいい。言葉にするのは難しいけど、柔らかさのなかに芯がある感じ。深くずっしりとした手ごたえがある」と一目ぼれだった。
打感の良さはパフォーマンスにも直結する。昨年の「ダンロップフェニックス」で男子史上7人目のアマチュア優勝を果たし、今季「日本プロ選手権」でプロ初優勝を挙げた23歳の杉浦は、「打感がいいと気持ちも良くなる」と話し、小林も「気分が乗ってくる。打感がいいとテンションも上がる。このアイアンはすぐに使いたい」と大きくうなずいた。杉浦はアマ時代から「JPX923ツアー」を愛用しているが、「新しいモデルは見た目もすごくいい。まずそこが一番気に入っています」と来季の実戦配備を即決している。
ミズノが今回、もう一つ追及したのが、プロの要望に応えた抜けのよさだ。「トリプルカットソール」という新技術を採用し、リーディングエッジからソールにかけて絶妙なバランスで加工されている。これがチーム・ミズノのプロたちを満足させるショットを生み出している。
ツアー通算3勝の時松は「抜けの良さはすごく感じた。きょうはマットから打ったけど、芝から打てばもっと感じると思う。ヘッドのサイズ感もちょうどいいし、操作性もある。いい意味で違和感がないので、すんなり替えられると思う」と現在使用している「JPX923ツアー」からのチェンジに問題はなさそうだった。シニアツアーで今季賞金ランキング12位だった56歳のベテラン・手嶋も「打感もいいし、抜けもいい。来年はこのアイアンを使って、頑張りたい。賞金王? それはどうかな」と笑った。
今回は新しいモデルのウェッジもテストされた。来年の発売予定で、2機種合わせて10種類とバリエーションも豊富。新アイアンと同様に「トリプルカットソール」が採用されており、試打した55歳の桑原は「クラブで最初に地面に触れるにはリーディングエッジ。そこがいい感じで削れている。これがすごくいい。ざっくりが怖いアマチュアの方にもお薦めです」と話した。
和気あいあいとした雰囲気の中、開催されたブランドアンバサダーミーティング。「ミズノのスタッフは僕たちプロの声を吸い上げてクラブを作ってくれている。僕らも頑張らないと」。クラブ開発に携わるすべてのスタッフに感謝した武藤の言葉に、チーム・ミズノのプロたちの思いが込められていた。(文・臼杵孝志)