<日本オープン 事前情報◇11日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>
昨年は第1回大会以来95年ぶりに「日本オープン」でアマチュア優勝を成し遂げた蝉川泰果。1980年と81年に倉本昌弘が「中四国オープン」で記録したアマ・プロ連覇がかかる初日は、アダム・スコット(オーストラリア)と、東北福祉大の先輩で賞金ランキングトップを走る金谷拓実と午前11時35分にティオフを迎える。
アマ・プロ連覇かかる蝉川泰果 アダム・スコットとのプレーに「ワクワクする気持ちでいっぱい」
日本最古の歴史を誇るオープントーナメント「日本オープン」。昨年大会で95年ぶりとなるアマチュア優勝を果たした蝉川泰果が連覇へ向けた思いを語った。
配信日時:2023年10月12日 01時59分
<日本オープン 事前情報◇11日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>
昨年は第1回大会以来95年ぶりに「日本オープン」でアマチュア優勝を成し遂げた蝉川泰果。1980年と81年に倉本昌弘が「中四国オープン」で記録したアマ・プロ連覇がかかる初日は、アダム・スコット(オーストラリア)と、東北福祉大の先輩で賞金ランキングトップを走る金谷拓実と午前11時35分にティオフを迎える。
昨年は「パナソニックオープン」と日本オープンを制し、史上初めてとなるアマチュアでツアー2勝を達成したワンダーボーイ。昨年10月にプロ転向すると、今年4月には「関西オープン」でプロ初勝利を挙げた。順調なプロのキャリアに見えたが、そこから2位3回、3位1回と優勝争いに絡むも、およそ半年間、勝利から遠ざかっている。初めてのディフェンディング大会となった9月のパナソニックオープンでは、2日目に「73」と落として予選落ちした。
今年2度目のディフェンディング大会。「パナソニックオープンはふがいない結果に終わってしまったので、最終日を迎えるまでに面白い位置に入れればというのが一番の目標です」と、リベンジを期す。いまの状態については、「パナソニックオープンでは練習ラウンドで7アンダー、8アンダーで回れていたのに、試合になると予選落ち。一概に何とも言えない。ボチボチな状態だと思います」と話す。
火曜日には初めて歴代覇者として『チャンピオンズディナー』に出席。そこで優勝トロフィーを見て、「連覇したい」と気持ちを昂ぶらせた。そのとき、日本オープンを2度制している谷口徹から「ドライバーではなくスプーンで打つのも1つの作戦だし、ピンばっかり見るのではなく、マネジメントも大事」という話を聞き「ベテランプロから学ぶところがあった」という。
昨年大会では蝉川の代名詞でもあるドライバーが絶好調。フェアウェイが狭く、硬くて速いグリーンにプロたちがスコアを落としていくなか、ドライバーで330ヤード先のフェアウェイをとらえ続け、短いクラブでピンを狙ってバーディを量産。唯一の2ケタアンダーとなるトータル10アンダーを叩き出して、コースをねじ伏せた。
予選ラウンドをともにする米国男子ツアー通算14勝のスコットとは、昨年大会の練習ラウンドと今年の全英オープンの練習ラウンドで回っているが、試合で一緒にプレーするのは初めてとなる。「やっぱりすごいのひと言です。小さいときからテレビで見ている選手で、すごくワクワクする気持ちでいっぱいです」と競演に心を躍らせる。
将来はスコットが主戦場とする米ツアーを目指している蝉川。9月には2つ年下の久常涼がフランスで欧州ツアー初優勝を挙げた。欧州ツアーでは、すでにツアーカードを保持している者を除く、ポイントレース上位10人が来季の米PGAツアーへの出場権が与えられる。久常は現在その7番手につけており、来季は米ツアーで戦っている可能性が高い。蝉川は「自分も」という気持ちを持ちつつ、「今週は同じフィールドで戦えるので、自分の実力も測れる試合になると思います」と語る。
次週は日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が行われる。今大会を終えた時点で日本ツアーの賞金ランキング上位8名に出場権が与えられるが、現在3番手の蝉川は今週の成績に関係なくZOZOに出られる見込み。「技術面だったりメンタルだったり、いろんな進化をしたいと思い続けています」。蝉川にとって“世界”を感じる2週間となりそうだ。(文・下村耕平)
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