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「ここ10年で一番やわらかい」石川遼はドライバーのシャフトを“SX”に変更

石川遼が「ここ10年で一番やわらかい」“SX”シャフトに変更。いったいなぜ?

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年8月24日 18時51分

石川遼が変更した“SX”シャフト『Tour AD TP-6S』
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石川遼が変更した“SX”シャフト『Tour AD TP-6S』 (撮影:ALBA)

<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 初日◇24日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7216ヤード・パー72>

前半の16番では2メートル、17番では「プッシュアウトした」と70センチのパーパットを外して、一時は2オーバーとなった石川遼だったが、「バシッと決まるまでに8ホールかかった。18番からは全体的に良かった」といいパットを打つことにフォーカスして、1アンダーまで戻して初日を終えた。

これが石川遼の最新“やわらか”シャフトだ!【写真】

「ドライバーもすごく良かったですし、明日にまたつながる感じにはなったと思います」。そのドライバーには以前までのブルーのシャフト『Tour AD PT-6X』ではなく、シルバーのシャフトが挿さっていた。今週から同じグラファイトデザインの『Tour AD TP-6S』に変更している。

「フレックスはS表記ですが、先端をカットしているので“SX”と呼んでいます」というシャフトは、2016年発売のモデルで新しいわけではない。これまで石川は“X”や“TX(ダブルエックス相当)”といった硬いシャフトを好んできたが、「ここ10年で一番やわらかいシャフト」に変更した。一体なぜなのか。

「前のシャフトはけっこうハードめというか、ちょっと遅れると、右に出た球が右に行っちゃう(右プッシュスライス)。そうするとつかまえたくなるので、早く当てて左に出さざるを得なくなる。スイングが変わってしまうので、それでドライバーは真っすぐ飛んでも、3Uは引っかかっちゃう」

石川のような右に出して左に戻していくドローヒッターにとって、左に出る球は感覚的に気持ちが悪い。ドライバーの下の3番ウッドと3番ユーティリティと同じ感覚でドライバーが打てていなかったことが、セッティングのつながりで「ドライバーで急にドローの幅が減っていた。気になるところとして一個あった」という。

それを半フレックスぶん、やわらかいシャフトを挿したことで、「しっかりとタイミングを遅らせるというか、ボールが出ていくのを遅らせていく意識で当ててくるとちょうど良い。すごく遅らせすぎて右に思い切り出たものが、ほんのちょっとでもドロー回転が入ってくれるのでめっちゃ助かるんです」と話す。きょうのフェアウェイキープ率は14ホール中7ホールの50%と決して高くないが、感覚的に意図しない方向にボールが飛ばなかったため、本人のドライバーへの満足度は高いのだ。

「ロングアイアンとかユーティリティとかでいいタイミングのスイングを作って、球のイメージを作って、それにドライバーのスペックを合わせていく、という感じで今回はやりました」と、クラブ全体のつながりも良くなった。

それが表れたのは、前半最後の18番パー5。ティショットはドライバーでフェアウェイど真ん中をとらえると、3番ユーティリティでドローをかけて、左奥に切ってあったピンと同じ面、7.5メートルに乗せた。イーグルパットは惜しくも外れたが、きょう初めてのバーディを奪った。「本当に同じクラブを打っているみたいな感覚でした」と振り返る。そして、「久しぶりに自分の思った球がドライバーで打てました」とまでいう。

石川は意外にも「ジュニア時代はけっこうバックスイングがゆっくりで、切り返しがグニャンとしなるシャフトが好きだった」という。中学時代までは軽いヘッドにフジクラのRシャフトを挿していた。それが高校1年でSシャフトに換わり、「プロになってからどんどんリズムが早くなったんですよ」と、高校1年でツアー初優勝を果たしてプロに転向すると、Xシャフトにまで硬くなった。一時はXXシャフトも使っており、「ドライバーの調子が悪かったときは、『やわらかい=曲がる』という感覚だった。硬いシャフトで低いフェードばっかり打っていた」と話す。

それが3年前から取り組んだスイング改造により、以前の切り返しで反動をつけてクイックに下ろす動きから、いまは「昔より切り返しが静か」に変化し、待てるようになった。スイングプレーンもスティープからシャローに変わったことで、棒のようなガチガチのシャフトから、「手元がやわらかい」シャフトを打てるようになってきた。これはスイングが安定してきた証拠で、やわらかいシャフトのほうが自分が頑張らなくても飛距離が出せるメリットもある。

ここで1つの疑問が起こる。石川のウッド系3本、ドライバーは『PT-6S』、3番ウッドは『TP-7X』、3番ユーティリティは『UB-8X』とすべてモデルが違うのに、なぜ同じような弾道が出るのか。

「僕も同じシャフトがいいと思っていたんです。シャフトの専門家の方からするとわからないですけど、ヘッドの大きさも形も違うから、シャフトが違ってもいいのかもしれませんね」と本人は考えている。

今大会は過去10回出場して、優勝1回を含むベスト10が6度と得意としている。「本当に3番ウッドみたいな感じで打てるシャフトに出合ったなという感じ」。思い通りのドローが打てるつかまりやすくなったドライバーで、2日目の巻き返しを狙う。(文・下村耕平)

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