昨年、2024年度の文化功労者(日本において、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を指す称号)に選出された日本ゴルフツアー機構(JGTO)前会長でツアー通算51勝の82歳・青木功。その式典「青木功プロ 文化功労者顕彰を祝う会」が10日、帝国ホテルで行われた。
ゴルフ界では2014年に選出された樋口久子以来2人目となる栄誉。1983年の「ハワイアンオープン」で日本人初の米ツアー優勝を挙げた。米シニアツアーでも9勝し、世界の「アオキ」としてその名をとどろかせる。2004年には、世界ゴルフ殿堂入り、08年に紫綬褒章受章、13年に日本プロゴルフ殿堂入り。15年秋の叙勲では旭日小綬章を授与されており、またひとつ勲章が増えた。
祝う会には、750名のゲストが出席。会の冒頭では、岸田文雄前首相が祝辞を述べた。「本当にお世話になった一人として、お祝いさせていただきました。本当に盛大な祝賀会に、多くの皆さんとともに、心からの喜びを申し上げます」。さらに、青木のプレーを振り返りながら最後に「私のようにゴルフは素人ですが、ゴルフが好き、そしてゴルフファン、青木功ファンのためにこれからもご活躍ください」と言葉を送った。
青木は祝賀会を前に取材に応じ、「賞をもらった気持ちは『噓だろう』っていうのが本音。(ゴルフが)天職だと言うけど、そのくらい没頭できたから、今こういう賞があるのかなと思います」と喜びの言葉を述べた。
2016年には、JGTOの第4代会長に就任。ゴルフ界の発展にも尽力してきたからこそ若い選手達へこんな言葉もかける。「今は、大人しすぎるかなと思う。自分をアピールしてほしいというのが私の思い。はみ出してやって欲しい」。“はみ出す”とは、型にはまらないゴルフ。「今は形で(ゴルフを)やっている気がする。こうしたらこういう球が出るということは自分の体で覚えた。今は言われないとできないような感じになっているので、もう少し自分自身を出すようなゴルファーが育ってくれたら」と後進へのエールも忘れない。
昨年3月にJGTO会長を4期(8年)務め退任。現在は「ゴルフを通じてジュニアとかに携われたらいいな」というビジョンも掲げる。さらには「10年やっていないから。試合に出てみたい」など、現在の胸の内を明かし、祝う会に出席したゲストたちとの交流を楽しんでいた。(文・齊藤啓介)