<ANAオープン 事前情報◇10日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
今年で第50回の節目を迎える「ANAオープン」の練習日。ドライビングレンジを覗いてみると、ダンロップ契約プロたちがこぞって新作と見られるクラブをテストしていた。担当者に聞いてみるも「まだ詳細は明かせないんです…」と口ごもる。そこで実際に新製品を手に取った選手たちに話を聞いてみた。
前作の『SRIXON ZX MkII』ドライバーは『ZX5』と『ZX7』とモデル別で用意されていたが、今作は『ZXi』に統一され4機種がラインナップされている模様。スタンダードモデルと言えそうな“無印”のヘッド、ロースピンモデルであろう『LS』、小ぶりでややディープなヘッドの『TR』、そしてやさしいモデルに位置づけられるであろう『MAX』である。『MAX』に関しては、唯一ソール後方中央に1カ所のチューニングウェイトが装着されており、球の上がりやすさが重視されていることが分かる。
地元・北海道出身の片岡尚之は練習ラウンドで早速、新ドライバーのテストを行い、手に取ったのは『LS』モデルだった。「今のところ、すごくいい感じで球も強く直進性がある」と高評価。あいにく強風が吹くコンディションだったため、正確な飛距離を計ることはできなかったものの「距離も伸びるんじゃないかと思います」とヘッドのポテンシャルは高そう。さらに、「安心感のある顔」というのもうれしい材料だ。
さらに、出水田大二郎は2機種をテスト。『LS』は「強い球が出る」、『TR』は「左に行かない感じ」とそれぞれの特性を感じながら打ち比べ。練習ラウンドでは『LS』をメインで使用していたこともあり、こちらを実戦投入する可能性が高い。ただ、出水田にとって“ビビッ”と来たのは、3番ウッドだった。「座りがすごくいい」と構えた時から好印象で、即投入を決めるほど。「丸みを帯びた感じがストレスなく構えられる。実際に打ってみてもいい球が打てている」と太鼓判。さらに若干の“逃げ顔”が左に行かない安心感をもたらしている。ちなみに3番ウッドに関しては1機種のみとなりそうだ。
新製品の詳細は不明だが、今週から実戦投入するプロが増えそうな予感が漂う。新製品を手にした契約プロたちがどんな試合展開を見せるのか、今大会の注目ポイントの一つになりそうだ。ドライバーはバリエーション豊富ということもあり、アマチュアにとっても続報が待たれる逸品だ。(文・齊藤啓介)