<ACNチャンピオンシップ 初日◇5日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7295ヤード・パー72>
「中西直人もいるんだぞ!」。大阪府出身の選手会副会長“兼”宴会部長は、準地元大会の初日を、1イーグル・7バーディ・6ボギーと出入りの激しいゴルフながら、3アンダー・21位タイで終えた。
今大会の舞台、三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコースは、昨年「日本オープン」が行われたコースでもある。そのとき優勝した蝉川泰果は兵庫県出身で中西とは関西つながり。「蝉川泰果だけじゃないんだぞ。この2人で盛り上げるんだぞっていう気持ちで頑張ってます」と腰に両手をあてて、したり顔を見せると、その場は笑いであふれた。
主催者推薦で出場している中西は「せっかくいただいたチャンス」と気合は十分。今年は春先にヒザ、夏には腰を痛めるなど、治療とスイング改造を繰り返す日々で、なかなか思うようなゴルフができていない。「徐々に良くなってきている。きょうはすごくやってきたことがカタチになり始めて、自信になるような一日でした」と復調気配を見せた。
腰痛の原因はスイングから?と聞くと、「いや、違うの」と笑い出す。「8月の中旬に家族旅行に行ったらすごく仕上がったトレーニングジムがあって、興奮してトレーニングをした結果、ぎっくり腰になってしまい…。そのまま家族で旅行し続けた結果、1カ月半も引っ張りました(笑)」。まさかの話に隣にいたキャディも笑う。だが、この怪我をきっかけにゴルフに対する考え方、プレースタイルが変わったという。
「35歳だから若くない。年齢も年齢やから、見直して今何が必要なのか。練習よりもケアのほうが大事」と、体を柔らかくするトレーニング、そして上げ方から下ろし方までの大幅なスイング改造に取り組んだ。続けて、「やりたいことも明確になったし、諦めることも覚えた」と攻め一辺倒のマネジメントから変化があったことも明かす。
今季は12試合に出場して、予選落ち8回に棄権が1回。賞金ランキングは147位に沈んでいる。9月の「フジサンケイクラシック」後に出場優先順位の入れ替えが行われたリランキングは65位で、今後出場できるのは推薦をもらっている数試合。
「これはネガティブに捉えられてしまうかもしれないけど、気持ちは『ファイナルQTトップ通過!』に向けてやってます」と、人差し指を立ててポーズをとる。意識はすでに来季の出場権をかけた12月の予選会に切り替えている。さらに、「こうしていただいた推薦で、ギャラリーのみんなの前でプレーできるっていうのはやっぱ幸せ。QTに向けて自信をつけて、いい流れでやるのが今の目標」と語る。
だからといって、目の前の試合をおろそかにするわけではない。「いただいたチャンス、全力尽くすよ。やるからには優勝、トップ10目指して」と意気込む。2日目以降、準地元大会で存在感を放てるか、注目したい。(文・高木彩音)