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“平均300y超え”の16歳が緊張乗り越え予選通過 松山英樹&石川遼との共演で得た収穫とは?
松山英樹がライバル視? 16歳の怪物、松山茉生が大器の片りんを見せた。
配信日時:2024年11月16日 00時00分
<ダンロップフェニックス 2日目◇15日◇フェニックスカントリークラブ (宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
「スタートはかなり緊張して、自分のゴルフができなかった……」。今年の「日本アマチュア選手権」を大会最年少(15歳344日)で制した松山茉生(まつやま・まお、福井工大福井高1年、以下「茉生」)は、初日を終えた際に悔しさをにじませた。
それもそのはず。同組だったのは、世界ランキング7位の松山英樹と、前戦でツアー通算20勝目を挙げた石川遼。日本ゴルフ界を代表する2人とのラウンドだったのだ。これまでレギュラーツアー出場は4試合目となるが、「きょうが一番」緊張したと話すほど、独特のプレッシャーがあった。
初出場となった「バンテリン東海クラシック」では最終日に「64」を記録し、同大会のドライビングコンテストでは349.6ヤードを叩き出して優勝するなど、16歳ながらプロの舞台でその実力をアピール。しかし、今回は「(松山や石川と)話したのは覚えているけど、内容は全然覚えていないです(笑)」と振り返るほど、2日間の緊張感は別格だったようだ。
初日は4オーバーの「75」と出遅れ、79位タイと苦しいスタートを切った。しかし、「調子自体は悪くない」と話していた通り、2日目は安定したティショットと観客を沸かせるパッティング力を見せ、6バーディ・2ボギーの「67」をマーク。一時は予選通過が危うい状況だったが、58位でボーダーラインを越え、見事に決勝ラウンド進出を果たした。
朝の1番ホールではパー発進を決めるも、続く2番でボギー。しかし「気持ちを切らさず、いい流れに乗れた」と、3番から連続バーディを奪取。パー5の3ホールではうち2回で2オンに成功し、全てバーディを記録した。後半の左ドッグレッグホールである13番(パー4・332ヤード)では連日、左の林越えのプレーで果敢にグリーンを狙った。2日目はグリーン右サイドの松林から1メートルに寄せてバーディを奪取。持ち前の飛距離を活かした積極的なゴルフが光った。
ドライビングディスタンスでは、第1ラウンドで314.61ヤード、第2ラウンドで309.27ヤードを記録。平均300ヤードを超える飛ばし屋としての力を存分に発揮し、ギャラリーを沸かせた。
“ビッグネーム”たちとのラウンドでは緊張が続いたものの、「予選カットラインを意識しながら、前日よりは自分のゴルフに集中できた」と振り返る。「最低4つ(は伸ばす)」という目標をしっかりと実行した。
松山英樹と石川のプレーは、茉生にとってかけがえのない学びとなった。「ティショットの持ち球とか、何においても安定力があった。自分はきょう(グリーン上で)下りのラインにつけることが多かったんですけど、基本的に手前から、上りの簡単なラインに攻めていたので、そこに打てる技術。あと、パターの決定力というか…いっぱいあるんですけど、いろいろ本当にすごいなと思いました」
松山英樹は「僕は(茉生の飛距離を)意識して振っていました。何回か勝てたので良かったかな(笑)」と16歳の飛距離を称賛。「すごく楽しかった」と語る。
石川も「(茉生のスイングスピードは)すごい。フェアウェイを外しても林までは行かないし、ドライバー技術が高い」と評価。「高校生時代の自分と照らし合わせたくなるのは、彼が初めて。それだけ新鮮で、これからが楽しみ」と期待を寄せた。
注目の16歳は、残り2日間でもさらなる飛躍を目指す。「攻めて行く。(決勝ラウンド進出で)気持ちも楽になると思うので。ドライバーを持っても攻めるゴルフで、5アンダー以上を2日間並べて、(トータルスコアを)2桁にして少しでも上位入れたら」と力強く語る茉生。決勝ラウンドでどこまで順位を上げられるか、注目していきたい。(文・高木彩音)
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