<ダンロップフェニックス 2日目◇17日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
単独首位から後続を突き放したかった2日目。松山英樹は1バーディ・4ボギーの「74」と3つ落とし、トータル5アンダーは首位と5打差の8位タイまで沈んだ。フェアウェイキープ率は初日より上がったものの、そこからピンを狙う2打目以降のショットについて、風が翻ろうした。
2番パー4でティショットを右の林に入れると、素振りもせずにすぐさまレイアップを選択。アイアンでの3打目はショートサイドのカラーに止まった。ウェッジでチップインを狙ったアプローチは、決まらずお先にボギー。獲りたいパー5では2打目を林に打ち込んだり、1メートルが蹴られたり。なかなかバーディが来ないまま、ホールは進んでいった。
バーディなしで折り返すことになり、後半で先に来たのも12番のボギー。距離が短い13番パー4はバーディとして戻したが、この日のバーディはこのひとつに留まった。続く14番でボギー、最終18番では木の間をすり抜けていくようなリカバリーも見せながら、カラーから3パット。苦戦を強いられた一日だった。
パーオンしたのは18ホール中7回で38.88%、この日の全体最下位に沈んだ。ショートサイドのカラーにわずかに外れることが多くあった。そこからは状況に応じてウェッジ、パターを選択しながらバーディを狙ったが、なかなか決まらない。
このパーオン率は、9.8m/sを記録した西風に惑わされたものでもある。「いいショットを打っても、風の読みを真逆に間違えていたりしていたので難しかった。風が出るのは分かっていたので、それに対応しきれなかった」。このダンロップフェニックスで“風が回る”というイメージはこれまでになかったともいう。
試合前に感じていた不安についても、変わってはいない。「(スタート前は)ちょっと悪かったかなという感じですけど、ここまで差がつくのは(ラウンド中の)自分の判断がなかなかうまくいかなかった」。予選通過者の中ではこの日のワーストスコアタイ。残り2日間で5打差逆転を目指していく。
もちろん、2014年以来の大会2勝目、日米合わせての今季初勝利に向けて、“勝ち”への想いは消えていないが、「自分の状態的にがっつり『あした追いつきます』とかそういう状況ではない」。いまの調子と心境についても率直に話す。
「きのうみたいにうまく波に乗れればチャンスはあると思うので、しっかりと準備だけはしたいと思う」。取材対応を終えると、練習場へ直行。コーチと話し合いながら、数値を見ながら、夕日のなかで特打を敢行した。最高の形で最終日を迎えるためにも、あすは大事なムービングデーになる。(文・笠井あかり)