JGTOツアー
国内男子
ダンロップフェニックス
賞金シード喪失危機の47歳・近藤智弘の表情が清々しいワケ 「“25位以内のもの”を来年使おうと」
近藤智弘が来年行使しようとしている生涯獲得賞金による試合出場は、いったいどんな制度?
配信日時:2024年11月17日 01時30分
Round 3 | ||
---|---|---|
順位 | Sc | PLAYER |
1 | -20 | マックス・マクグリービー |
2 | -14 | 永野 竜太郎 |
3 | -13 | 松山 英樹 |
4 | -12 | アクシャイ・バティア |
4 | -12 | ショーン・ノリス |
6 | -11 | 竹安 俊也 |
6 | -11 | 木下 稜介 |
6 | -11 | スコット・ビンセント |
6 | -11 | 蝉川 泰果 |
10 | -10 | 金谷 拓実 |
<ダンロップフェニックス 3日目◇16日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
今季の国内男子ツアーは今週含め残り3試合と、ラストスパートに突入。そのなか、賞金王争い、賞金ランキングによるシード争いも大詰めを迎えている。
47歳で同82位の近藤智弘は、初日は48位だったが、2日目に「65」、3日目に5バーディ・2ボギーの「68」で回りトータル9アンダー・12位タイまで浮上してきた。
この日は朝から雨が降り続く、難コンディション。「(ホールの距離が)長いところがけっこう雨が強くて、(雨で飛ばないこともあり)厳しかったんですけど、なんとかしのげた。僕のいまの調子だったら、アンダーパーで回ることができていれば満足という感じです」と、納得のいくゴルフができている。
「いまの調子」というのは、昨年から抱えている腰痛のこと。「去年も4カ月ぐらい休んで、結局12試合しか出られなかった。上手くシードが獲れたのでよかったものの、今年もヘルニアが出たりヒジも痛くて、1カ月ぐらい休んでしまった。練習も全くできていない状況。出場資格もあるし、頑張ってやりたいけどなかなか思うようにいかないですね」と苦しいシーズンを振り返る。
今年はこれまで13試合に出場し、予選落ちが8回。最上位は「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」の5位タイだ。賞金シードは65位以内で、現在のランキングは圏外。しかし本人は「あまり気にしていない」と表情も清々しい。その理由は、「“25位以内のもの”を来年使おうと思っているよ」という言葉にある。
この“25位以内のもの”は、1973年のツアー制施行後の『生涯獲得賞金ランキング上位25位以内の者』に適用されるフル出場権のこと。本人が選択した1年間に使用できる。近藤は2000年にプロ転向し、これまでツアー通算6勝。生涯獲得賞金額は9億5728万5123円で17位にランクインしている。ケガが悪化しないように…と思いながらも「試合に出られるのがまずいいなと」戦い続けたい気持ちは大きい。これまで積み重ねた成果が、こういった苦しい状況で生かされている。
同制度は、次戦の「カシオワールドオープン」終了時点で、生涯獲得賞金ランク25位以内の選手が対象となる。17位であれば、現時点で圏外に落ちることはない。04年以前は上位25位以内にいる限り何度でも資格適用が可能だったが、翌05年からは原則、1度しか使用ができなくなった。ただ、『適用後に賞金ランキングによるシード権を獲得すれば同資格は再び適用可能になる』という“復活条件”もある。
近藤は18年、20-21年にも使用しているが、どちらも適用シーズンに賞金ランク入りを果たしているから。「年齢を重ねると、思うようにいかない部分はある。少しでも試合に出たいという思いで、応援してくれるファンの人もいるし、やっぱり一生懸命やりたいなと思っている」。自身が少しでもゴルフができる体調でいる限り、戦うことをやめない。そんな強い思いを持ちながら、近藤のゴルフ人生は続いていく。
しかし、こういったケースもある。昨年、07年に初めて獲得してから守り続けてきたシード権を喪失した46歳・小田孔明は、今シーズン、この生涯獲得賞金の資格で出場を続けてきた。だが、今年は賞金ランク95位(392万9703円)にいて、今週は予選落ち。残されたチャンスは次戦で、優勝、上位フィニッシュが必須となる。この場合、生涯獲得賞金の権利が“復活”していないため、前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」の会場では来季に向けて「とりあえずQTを受ける」と表明していた。
若手が存在感を見せるなか、ベテラン勢もまだまだ上を目指して戦っている。出場権を得るための“選択肢”も、人それぞれだ。(文・高木彩音)
関連記事
ダンロップフェニックス
ダンロップフェニックスのニュース
- <中間速報>松山英樹は前半3バーディ 首位と5打差で後半へ
- <速報>最終組の松山英樹が“7打差大逆転”を狙いスタート 大拍手浴びた1番は2オン2パットのパー
- 2イーグル奪取で永野竜太郎が2位浮上 “PGAツアー勢2人”との最終組入りも「相手がどうとかはあまり…」
- 石川遼が「苦手意識のあるコースで」得たいもの 雨のなかで注意すべきは…
- 松山英樹が狙う“7打差逆転V” 「完璧なゴルフをしないと」