JGTOツアー
国内男子
三井住友VISA太平洋マスターズ
シーズンもいよいよ終盤戦 池田勇太、時松隆光は来季の“職場”確保に何を思う…
今大会を含めて残り3試合となった国内男子ツアー。来季のシード権争いもラストスパートに突入する。
配信日時:2024年11月6日 05時00分
<三井住友VISA太平洋マスターズ 事前情報◇6日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
今季も、今大会を含めると残り4試合。終盤戦に差し掛かり気になるのは、賞金ランキング上位65人に与えられるシード権の行方だ。現在、65位以下に位置するベテラン二人に今の心境を聞いてみた。
顎偏位症の影響で昨年、14シーズンにわたって守り続けたシードを失った池田勇太。今季はここまで10試合に出場し、現在の賞金ランキングは70位(761万3700円)と“返り咲き”は十分可能な位置にいる。
今季初出場となった5月の「ミズノオープン」では、術後の影響もあり「ラウンドしていても分からないことだらけ」とまさに手探り状態でのスタートとなったが、しっかり決勝へ駒を進め、47位タイで終えた。7月の「日本プロゴルフ選手権」から本格的にツアーに復帰すると、リランキングも105位から18位にアップ。開幕時点では出場資格は無かったが、後半戦はほとんどのトーナメントに自力での出場を可能とした。
今季は、“リハビリ期間”とした一年でもあり「(シードを)意識したところで変わらない」と無欲の終盤戦といったところ、あくまで自然体を貫く。それでも「完全ではないですが、感覚も、気持ち的にも良くなった」と、ここまでの戦いぶりは前向きにとらえている。
さらに、復帰後は人生初のバックラインなしのグリップを試すなど、セッティングを大きく見直した。アイアンも「100%の力でゴルフができるわけではないので」とやさしさを重視し、コブラの『KING Tour』をチョイス。完全復活に向けて試行錯誤を重ねている。
仮にシードを獲得できなかった場合、池田は生涯獲得賞金ランキングで25位に入っているため、その資格を行使する選択肢もある。ただ、一度しか使えないことから今後の動向が気になるところ。
同ランキング71位(754万9160円)に位置する時松隆光は、この順位に危機感を覚える。7期連続でシードを維持してきたが、昨年は、賞金ランクは62位とシード当落線上で迎えた自身最終戦の「カシオワールドオープン」を10位で終えて踏みとどまった。そして今季も、ここまで厳しい戦いを強いられてきた。
昨年に引き続き、「考えたくなくても出てきてしまいますね…。全力でやるしかない」と来季の“職場”が頭にちらつく。ここまで「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」(以下JPC)での5位が最高位で、ほかトップ10入りは無い状況。「チャンスについたら決められなくて、『もっと近くに付けないと』って自分にプレッシャーを与えてしまって、打ったらいけないところに行ってしまって」と、焦りから悪循環に陥っていると嘆く。
また、国内男子ツアーのレベルアップも肌で痛感しており、「優勝するには20アンダー越えなんて、かなり多くなってきている。そこにどうやってついて行くかということを考えないといけない」と課題も挙げる。実際、時松はこの伸ばし合いの試合展開はあまり得意と思っておらず「パープレーで順位が上がっていくような試合が好きです」と話す。
それは前戦の「日本オープン」で表れており、フェアウェイが狭く、ラフが長いタフなセッティングで優勝した今平周吾はトータル4アンダーと、“耐え”の要素が重要であった。そこで時松は「JPC」に次ぐ14位タイの成績を残している。
残り4試合。「JTまで行きたい気持ちもあるし、不可能ではないので。いいゴルフができるように、しっかりマネジメントをしていってという感じですかね、今できることは」。見据える先は、シード獲得はもちろん、前年覇者やレギュラーシーズン優勝者、賞金ランキング上位者など、30名しか出場できないエリートフィールドとなる最終戦の進出。優勝賞金4000万円の“ビッグトーナメント”で一気に手繰り寄せたい。(文・齊藤啓介)
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