<For The Players By The Players 3日目◇11日◇THE CLUB golf village (群馬県)◇7172ヤード・パー71>
ツアー未勝利の33歳・小袋秀人(こぶくろ・ひでと)が7バーディ・2ボギーの「66」。首位とは8ポイント(pt)差のトータル24pt・5位タイに浮上した。
裏街道のトップスタートだった小袋は、10番から2連続バーディで波に乗ると、終盤6番から圧巻の4連続バーディを奪い、上位に浮上した。「ショートゲームで比較的にすんなりパーを拾えたということが、後半の連続バーディにつながったのかな」と満足げに話した。
横浜市出身の小袋は、ゴルフの名門・日本大学で腕を磨いた。2011年には松山英樹らを抑えて「朝日杯日本学生」で優勝。12年「日本アマ」では、決勝でのちの賞金王・比嘉一貴を破り日本一となった。
プロ転向後は、20年に下部のABEMAツアーで初優勝。23年のファイナルQTでは14位に入り、今季前半戦の出場権を獲得した。
そんな小袋は、珍しく手袋を装着せずにプレーをする。“テブクロをしないコブクロ”というわけだが、その理由を聞いてみると「ゴルフを始めた時から、グローブを着けていなかったので。試してはみたのですけど、感触がやっぱり気持ち悪かった。特にこの時期は湿気もないですし、全く問題ないですね」と素手でのプレーを続けている。
22年大会では初日に首位発進を決めるなど、ポイント制との相性は悪くないと話す。「自分がどこにボールを置けば次のプレーがやりやすくなるか。日を重ねるごとに覚えていく感じでやれている。きょうみたいなプレーをあすもできれば、(優勝の)可能性はあると思う。しっかり準備したい」。逆転での初優勝へ静かに闘志を燃やした。(文・神吉孝昌)