<横浜ミナトChampionship ~Fujiki Centennial~ 最終日◇6日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7231ヤード・パー71>
中断時間は3時間22分。長い一日を制したのは中島啓太だった。首位と2打差の2位タイから出た中島は6バーディ・1ボギーの「66」。トータル13アンダーで逆転し、今季2勝目を挙げた。
1番パー4でバーディ発進を決めると、この時点で首位の稲森佑貴をとらえた。しかし、2番パー4のバーディパットを打つ前に、ゲリラ豪雨が襲い競技が中断した。「今日みたいにアクシデントがある中で優勝するには、気持ちが強くないと勝てないと思ったので、集中力を切らさずに準備をしていました」と気持ちのコントロールに努めた。
「あれはクラッチパット。入れたら絶対に流れが来ると思っていた」。中断明け直後の4メートルを見事に沈め、連続バーディを奪う。さらに1オンを狙える330ヤードの8番パー4では、今大会初めてティショットでレイアップを選択してここでもバーディ。豪雨や中断など厳しいコンディションの中、終始冷静さを失わずに逆転優勝へつなげた。
これでツアー3勝目を挙げた中島。自分自身でも“精神面”での成長を感じ取っているようで「前までは、自分で頭の中で『落ち着け』とか考えることが多かったが、今はどういう状況に置かれているかを客観的に把握することができて、すごく冷静になれた。本当に落ち着いていた」。今シーズン、最終日最終組で回ったのはこの試合を含めて6度。その経験が中島を成長させている。
そして、舞台となった横浜は日体大時代の4年間を過ごした思い出の地だ。「第1回大会で優勝できたのは、すごく光栄ですし、横浜は第二の故郷なのですごくうれしい」と感慨に浸った。
この優勝で、賞金ランキングで金谷拓実を抜き再び首位に躍り出た。しかし、中島に慢心はない。「全英オープンでは予選を通らなかった。まだまだ実力が足りないです。優勝で満足することなく、モチベーションは高く、志も高く、向こうでゴルフができるように。早く松山英樹さんのいるPGAツアーにいくような選手になりたい」。
その松山は、プロ1年目の2013年に4勝を挙げ、史上初となるルーキーで賞金王を獲得。その後、アメリカに渡った。実質ツアー本格参戦1年目の中島は、今シーズンあとどれだけ勝利を積み上げるのか、今後が楽しみだ。(文・神吉孝昌)