<日本プロゴルフ選手権 事前情報◇3日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>
前戦で2季ぶりの優勝を遂げた2019年大会覇者の石川遼は、汗ばむ陽気のなか、半ズボンの爽やかな姿で会見に登場した。
ひさしぶりの勝利については「ツアー選手権の負けがあったからこそ」と振り返る。国内メジャー初戦「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でプレーオフの末、岩田寛に敗れたが、その悔しさが原動力となった。連勝もかかる今大会であるが「自分の実力を上げていくしかない。勝つ可能性を少しでも上げていく準備をするしかない」と前戦の勝利におごることなく、気を引き締める。
通算20勝まであと一つと大台も迫っている。しかし「今、日本ツアーで勝つということは難しいと思っています」と安易な皮算用はしない。「一強でもないし、二強、三強でもないという構図になっていて、このなかでコンスタントに複数回勝つというのは難しくなっている。次の1勝をつかむために自分自身が成長しなきゃいけないし、まだ成長できるところがある」。その言葉を体現するように、練習場ではドライバーのスイングを入念にチェック。 「ティショットは悪くないんですが、スイングのブレ幅が大きい」と自らの”宿題”をこなしていた。「スローだとできる動きがある」とあえてゆっくり目のスイングでトップからの切り返しの調整などを繰り返す。
そして、メジャー2戦目の舞台は「(回ったのは)今週が初めて」と未知の世界。「ドッグレッグが多かったり、ティショットから250~300ヤード先があまり見えなかったりとか、そういうホールが結構あるので、ドライバーでショートカットしていくこともなく、見えるとこに打っていく。ドッグレッグのホールで3番ウッドを打ったり、ユーティリティ打ったりというのが多い感じなので、このクラブでこういうラインで打つというのを信じてやれるかが大事」と分析する。
ただ、初めてのコースではあるが石川には直近2試合で得た自信もある。「(宍戸と西那須野と)全く別のタイプのコースとトーナメントで結果が出せているので、今週は初めてのコースでもありますけど、すべての状況を楽しみにしています」。最後に「焦らずやること」を一番に掲げた。久しぶりの”連勝権利”を手にして挑む今大会も変わらず「フラットな気持ちで、いつも通り結果を求める」ことに徹する。(文・齊藤啓介)