<ACNチャンピオンシップ 最終日◇6日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6993ヤード・パー71>
首位と8打差の22位タイからスタートした35歳の片岡大育が7バーディ・ノーボギーの「64」。トータル16アンダーまで伸ばして一時はクラブハウスリーダーとなったが、優勝スコアには4打届かず。それでも2017年以来の勝利に向けて、実りある一週間となった。
「今週、感覚が良かった。変な事さえしなければいいところに行けるかなという感じだった」と、ショットパットともに手応えを感じている。前半に4つのバーディを奪うと、後半も3バーディを奪って一時は首位タイに浮上。しかし、17、18番でバーディを奪うことができず、後続にプレッシャーをかけることができなかった。「あと1つ獲りたかったですね。獲れていればチャンスがあったかなと思います」と唇をかんだ。
今大会の前身である17年の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」でツアー3勝目を挙げた。そこから19年に賞金シードを手放し、翌20年に顔面神経麻痺を発症。ゴルフの調子を崩し、低迷をしていた。
兆しがでてきたのは、昨年のファイナルQT。2位に入り今季の前半戦出場権を手にすると、5月の「中日クラウンズ」で20位。8月の「Sansan KBCオーガスタ」で約5年9カ月ぶりにトップ10入りを果たし、今大会では最終日のチャージで上位入り。「それまでとは全然違う感覚で、良いショットがすごく打てていた。だいぶ悪いイメージが消えてきたのじゃないかなと思います」。
ショットが復調した理由に、鏡の前での素振りを挙げる。「実際に打つとなると思ったところにテークバックを上げられなくて。そこをまず修正しようと思って、丁寧に鏡に向かって素振りをしました。それが感覚的に良くなった要因の一つです」。
これで約286万円を加算し、賞金ランキングは66位へ浮上。11月の「カシオワールドオープン」終了時の同ランキング上位65人に与えられる来季シード権も見えてきた。「可能性はあると思う。残りの試合で結果を残せるように調整したいですね」。この戦いがシード復活への足がかりになりそうだ。(文・神吉孝昌)