<ダンロップフェニックス 3日目◇16日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
トップと4打差で3日目を迎えた世界ランキング7位の松山英樹は、朝から雨が降り続き、悪コンディションのなか4バーディ・1ボギーの「68」でラウンド。最終日はトータル13アンダー・3位から、トップとの7打差から最終組で迎える。
「(マクグリービーがスコアを)伸ばしていたので、早めに何かいいキッカケがあって5打差ぐらいまで詰められるかなと思っていたんですけど、なかなか思うようにいかないまま。差は開いてしまいましたけど、あしたはいいプレーをしていきたい」
この日は、単独首位に立つマックス・マクグリービー(米国)と同組でプレー。朝一はともにティショットを右のラフに打ち込んだが、先に2打目を打ったマクグリービーはピン横50センチにつけてバーディ。松山は木が邪魔をし、低い球でグリーンを捉えるもピン奥10メートル以上の位置からのロングパットを強いられた。そのバーディパットは2.5メートルショート。パーパットも下りの微妙な距離を残したが、しっかり沈めた。
しかし、続く2番では2打目をグリーン右のガードバンカーに入れると、そこから約2メートルに寄せるも外してボギー。その後は8番までパーが続くなかで、対するマクグリービーは快調にスコアを伸ばしていった。前半の最終9番パー5ではアイアンで2オンを成功させ、2パットのバーディを奪うも、後半に入る時には差は6打まで広がっていた。
それでも後半13番、14番の連続バーディで、再び上位に顔をのぞかせると、最終18番パー5で“魅せた”。ティショットはバンカーに入ってしまったが、一旦出したあとはピン2メートルに乗せてバーディ締め。それでも、マクグリービーがボギーなしの6バーディを奪ったため、最後には大きな差がついてしまった。
最終日は「60台前半のスコアを出さないとチャンスはないと思う。そこに照準を合わせて頑張っていきたい」と意気込む。今大会の最多逆転優勝スコア差は1984年のスコット・シンプソン(米国)の“7打差”。奇しくも、今回の松山とマクグリービーの差と重なる。
ただ本人は「それを気にしてプレーはできないと思うし、完璧なゴルフをしないとチャンスはない。頑張りたいと思います」とパフォーマンスを発揮しつくすことに集中していく。ライバルは同じ米国男子ツアーのメンバーで、松山が通算10勝なのに対し、マクグリービーは未勝利だ。その経験も生かし、“勝負所”を見極めていく。(文・高木彩音)