これも一度選んだら、頻繁に替えられるものではない。例えばパター。西村は、小学校6年間をほぼ1本のパターで過ごし、グリップがボロボロになるまで使い込んだ。それを見た父はある日、娘のためにと新しいパターを買いプレゼントした。まだ幼い西村は、これに大喜び。うれしさのあまり、その日は新たなパターを枕元に置いて一緒に眠ったという。「その姿を見たとき、思わず写真を撮っちゃいました」。当時を思い出し、母も目を細めた。
また練習場を使用するにも、当然費用は必要となってくる。“限りある費用で少しでも多くの練習を”と思った両親は、コースや練習場を何軒も回り、安く練習をさせてもらえるようお願いをして回った。すると、一軒の練習場が、平日1000円で打ち放題をさせてくれることに。中学時代の西村は、学校が終わったら、その練習場へと向かってクラブを振り、そして夜おそく帰宅後に勉強をするという生活を続けた。「きっかけを作るため、頭を下げるのは僕たちの役目。頑張って結果を残して、道を切り開いたのは娘ですから」と武彦さん。こうして若い才能はメキメキと伸びていった。
やはり、ジュニアゴルフで一番負担になるのが遠征費だと両親は口をそろえる。その費用を少しでも浮かすため、試合会場には父が運転するワンボックスカーで向かった。試合中はホテルに泊まるが、その前後は車中泊。さらに「他の家族がレストランに行くのを横目に、コンビニのおにぎりを買って、石垣に並んで食べる、ということもありました」と切り詰められるところを徹底して転戦を続けた。
「彼女の夢なので、それをサポートするのが僕たちの務め」という想いで寄り添う両親。「その面では“しっかりした”母親だと思います(笑)」と節約などもしながら、娘がゴルフに専念できるよう環境を整えている。
しかし、夫婦で通帳を眺め「もうダメかもしれない…」と思ったこともあったという。そんな時に、両親に力を与える試合がやってきた。それが2016年の「日本女子オープン」だった。
烏山城CCで行われた大会。この年はアマチュアの畑岡奈紗が優勝し大きな話題をさらったが、西村も6位タイとなりアマチュア2番手に輝いた。アマチュアは出場した試合結果に応じ、アマランクに影響するポイントが付与されるのだが、この試合で大きく伸ばした西村は、これをきっかけにナショナル・チーム入り。西村にとって「中学時代から目指していたのですごくうれしかったです。今こうしてゴルフができているのも、そのおかげだと思っています」と話すできごとは、両親にとっても「娘の成績に励まされて、また頑張ろうと思えました」(枝里子さん)と大きな意味を持つものとなった。
また練習場を使用するにも、当然費用は必要となってくる。“限りある費用で少しでも多くの練習を”と思った両親は、コースや練習場を何軒も回り、安く練習をさせてもらえるようお願いをして回った。すると、一軒の練習場が、平日1000円で打ち放題をさせてくれることに。中学時代の西村は、学校が終わったら、その練習場へと向かってクラブを振り、そして夜おそく帰宅後に勉強をするという生活を続けた。「きっかけを作るため、頭を下げるのは僕たちの役目。頑張って結果を残して、道を切り開いたのは娘ですから」と武彦さん。こうして若い才能はメキメキと伸びていった。
やはり、ジュニアゴルフで一番負担になるのが遠征費だと両親は口をそろえる。その費用を少しでも浮かすため、試合会場には父が運転するワンボックスカーで向かった。試合中はホテルに泊まるが、その前後は車中泊。さらに「他の家族がレストランに行くのを横目に、コンビニのおにぎりを買って、石垣に並んで食べる、ということもありました」と切り詰められるところを徹底して転戦を続けた。
「彼女の夢なので、それをサポートするのが僕たちの務め」という想いで寄り添う両親。「その面では“しっかりした”母親だと思います(笑)」と節約などもしながら、娘がゴルフに専念できるよう環境を整えている。
しかし、夫婦で通帳を眺め「もうダメかもしれない…」と思ったこともあったという。そんな時に、両親に力を与える試合がやってきた。それが2016年の「日本女子オープン」だった。
烏山城CCで行われた大会。この年はアマチュアの畑岡奈紗が優勝し大きな話題をさらったが、西村も6位タイとなりアマチュア2番手に輝いた。アマチュアは出場した試合結果に応じ、アマランクに影響するポイントが付与されるのだが、この試合で大きく伸ばした西村は、これをきっかけにナショナル・チーム入り。西村にとって「中学時代から目指していたのですごくうれしかったです。今こうしてゴルフができているのも、そのおかげだと思っています」と話すできごとは、両親にとっても「娘の成績に励まされて、また頑張ろうと思えました」(枝里子さん)と大きな意味を持つものとなった。