これをなぜ、いつもできないのか。「ギャラリーを入れるためには準備が必要だから」、「警備員や交通手段の問題などでお金がかかるから」などと、できない理由を探すのは簡単だ。だが、それを一つ一つ解決してやらなければ、スポンサーだよりの現状は変わらない。
写真撮影の是非についても、根本的に考える必要がある。ここ30年ほどの間に、写真撮影はびっくりするほど身近になった。スマートフォンの普及と、それに伴うアプリの開発、さらにSNSの浸透などで、誰もが気軽に撮影し、それを公開する。それが当たり前になっているのは、いまさらいうまでもない。
だが、ゴルフツアーはその実情に追いついていない。アドレスに入ったら静かにすること、というルールを盾に、ギャラリーの撮影を禁止(男子ツアーでは一部、解禁の動きもある)したまま時が止まっている。
人々は、都合の悪いことには一切触れない広告よりも、本音が見える口コミを信用する。口コミの手段の一つが、SNSだ。イマドキのSNSに、写真は必須。いや、Instagramのように、写真だけでほぼすべてを伝える手法のほうが多いのが現状だ。撮影禁止は、その拡散にストップをかけていることになる。
もちろん、SNSはさまざまな側面があり、気を付けなければいけないこともある。肖像権などの問題もあるだろう。だが、それらのことをすべてはかりにかけた上で、一から考え直す時はもう、とっくに来ている。プロスポーツの試合という公の場、しかもゴルフ場は広い、広いフィールドだ。そこで撮影を一切禁止するなど、もはや不可能といっていいだろう。だったら逆に、利用すればいい。日本のスマートフォンは、シャッター音がするといっても、それを消すアプリもたくさん出回っている。
ごく普通の人々が、ごく普通にスマートフォンを駆使して写真を撮り、拡散する時代。“人気稼業”のプロスポーツの世界で、それを利用しない手はない。日本女子オープン練習日に来ていたギャラリーの笑顔をヒントに、ファンの手を借りて、ツアーは根本的な意識改革を図らなくてはならない。(文・小川淳子)
写真撮影の是非についても、根本的に考える必要がある。ここ30年ほどの間に、写真撮影はびっくりするほど身近になった。スマートフォンの普及と、それに伴うアプリの開発、さらにSNSの浸透などで、誰もが気軽に撮影し、それを公開する。それが当たり前になっているのは、いまさらいうまでもない。
だが、ゴルフツアーはその実情に追いついていない。アドレスに入ったら静かにすること、というルールを盾に、ギャラリーの撮影を禁止(男子ツアーでは一部、解禁の動きもある)したまま時が止まっている。
人々は、都合の悪いことには一切触れない広告よりも、本音が見える口コミを信用する。口コミの手段の一つが、SNSだ。イマドキのSNSに、写真は必須。いや、Instagramのように、写真だけでほぼすべてを伝える手法のほうが多いのが現状だ。撮影禁止は、その拡散にストップをかけていることになる。
もちろん、SNSはさまざまな側面があり、気を付けなければいけないこともある。肖像権などの問題もあるだろう。だが、それらのことをすべてはかりにかけた上で、一から考え直す時はもう、とっくに来ている。プロスポーツの試合という公の場、しかもゴルフ場は広い、広いフィールドだ。そこで撮影を一切禁止するなど、もはや不可能といっていいだろう。だったら逆に、利用すればいい。日本のスマートフォンは、シャッター音がするといっても、それを消すアプリもたくさん出回っている。
ごく普通の人々が、ごく普通にスマートフォンを駆使して写真を撮り、拡散する時代。“人気稼業”のプロスポーツの世界で、それを利用しない手はない。日本女子オープン練習日に来ていたギャラリーの笑顔をヒントに、ファンの手を借りて、ツアーは根本的な意識改革を図らなくてはならない。(文・小川淳子)