言うまでもないが、ゴルフは精神面が大きく影響するスポーツだ。「ゴルファーは一番身近な最強の敵が自分自身であることにすぐに気づくのである」とボビー・ジョーンズが言ったように、喜怒哀楽すべての感情を上手くコントロールして、技術を発揮しなければタイトルには届かない。

前夜祭にて…新垣比菜、勝みなみ、三浦桃香の3ショット【写真】

とはいえ、競い合っている選手がいるのである。相手が自分より良いプレーをする、もしくは逆にミスをする、と実際に何かが起こった場合はもちろん、「良いプレーをしそう」、「ミスをしそう」といった雰囲気だけでも、選手の感情は左右される。まさに“駆け引き”である。

だからこそ敗れたゴルファーは「スキがなかった」という言葉を使うことも多い。

「日本女子オープン」で3位となった菊地絵理香も、優勝したユ・ソヨン（韓国）を評してこういった。「最初から最後までまったくスキがなかった。こんなに安定している選手を見たのは初めてだった」。ミスしたところでつけ入りたかった。だが相手にスキがない場合、逃げる立場なら「ミスできない」、追いかける立場なら「バーディを獲らないといけない」という感情にさいなまれる。そのプレッシャーは尋常ではない。

スキを見せてしまった―。