まず、考えられるのが「選手たちの考え方の変化」だという。「今の選手たちは、試合では競い合いますが、特に同じコーチに師事している選手たちは『チームの仲間』として考えている。例えば、井上透コーチに師事する『チーム井上』は顕著ですよね。穴井詩選手から始まって成田美寿々選手、武尾咲希選手とまたたく間にドライバーが変わりました。これは情報共有しているからではないでしょうか。このように、今の選手たちはお互いにレベルアップするために、持っている情報を隠さないという傾向があるように感じます」(筒氏)。“あのクラブがいい”という情報を誰かがキャッチすれば、周りはすぐに“とりあえず打ってみよう”となるという。
ふたつ目の理由は、キャロウェイのプロサービスの環境があると見ている。「同社は契約プロに対する手厚いサポートをしたうえで、契約フリーの選手たちにも同等レベルのサポートをできているのではないでしょうか。こういったプロの要望に応えられる状況ができるには、対応できる“人”とカスタムできる実力のある“クラフトマン”の存在が不可欠です。それがそろっているのでしょう」と筒氏。受け入れる側の体勢が整っているのも大事である。
そうやって試打する選手が増えていけば、メーカーにも情報が溜まっていく。選手の傾向に合わせた重量位置や合うシャフト、傾向などが蓄積され、新しい選手が来たときに、より良い対応ができる。その人がハマれば仲間に情報共有する。こういった好循環が生まれていると筒氏は語る。
筒氏はまた、クラブ性能以外の情報共有も大きいと考える。「最初に話した情報共有という部分は『クラブの性能』や『合うシャフト』といった話に留まっていないでしょう。クラブに合う『打ち方』などの技術的な部分も共有されていっているとみています。そうした情報を整理した上で『自分に合う』と思って試打するから、スイッチしやすいし、間違いも起きにくい。そういう流れだと思います」。打つ前からそれだけの情報があれば、移行がスムーズなのもうなずける。
女子ツアーで作られたいい流れは、男子にも広がっていく。「このようにして女子ツアーで溜まった情報を、今度はメーカーが男子の会場でプロに共有しているのでしょう。こうして男子ツアーでもクラブが拡散されていく、というわけです。『エピックフラッシュ』を入れた理由は『飛ぶ』、『好きなシャフトと合う』、『顔が好き』など、個々でそれぞれ違うと思います。それでも、ここまでツアーで流行した。その理由は『情報共有』と『サポート体制』のふたつが大きく作用しているのではないかと思います」(筒氏)。我々の目に見えない部分も、使用率増加につながっているようだ。
解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。
ふたつ目の理由は、キャロウェイのプロサービスの環境があると見ている。「同社は契約プロに対する手厚いサポートをしたうえで、契約フリーの選手たちにも同等レベルのサポートをできているのではないでしょうか。こういったプロの要望に応えられる状況ができるには、対応できる“人”とカスタムできる実力のある“クラフトマン”の存在が不可欠です。それがそろっているのでしょう」と筒氏。受け入れる側の体勢が整っているのも大事である。
そうやって試打する選手が増えていけば、メーカーにも情報が溜まっていく。選手の傾向に合わせた重量位置や合うシャフト、傾向などが蓄積され、新しい選手が来たときに、より良い対応ができる。その人がハマれば仲間に情報共有する。こういった好循環が生まれていると筒氏は語る。
筒氏はまた、クラブ性能以外の情報共有も大きいと考える。「最初に話した情報共有という部分は『クラブの性能』や『合うシャフト』といった話に留まっていないでしょう。クラブに合う『打ち方』などの技術的な部分も共有されていっているとみています。そうした情報を整理した上で『自分に合う』と思って試打するから、スイッチしやすいし、間違いも起きにくい。そういう流れだと思います」。打つ前からそれだけの情報があれば、移行がスムーズなのもうなずける。
女子ツアーで作られたいい流れは、男子にも広がっていく。「このようにして女子ツアーで溜まった情報を、今度はメーカーが男子の会場でプロに共有しているのでしょう。こうして男子ツアーでもクラブが拡散されていく、というわけです。『エピックフラッシュ』を入れた理由は『飛ぶ』、『好きなシャフトと合う』、『顔が好き』など、個々でそれぞれ違うと思います。それでも、ここまでツアーで流行した。その理由は『情報共有』と『サポート体制』のふたつが大きく作用しているのではないかと思います」(筒氏)。我々の目に見えない部分も、使用率増加につながっているようだ。
解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。