最終日のピン位置は右手前。「このホールが勝負かなと思いました。2日間ともフォローが強くて止まらなかったので、6番アイアンで真ん中狙いでちょっとカットしました」と、絶妙なフェードでピン奥2メートルにつけて4連続バーディを締めくくった。

ジエといえばクラブ契約をせずに好きなクラブを使うが、この17番のショットを生み出したのは、2017年11月に使用を開始したミズノのアイアン『ミズノプロ518』。同年の「大王製紙エリエールレディス」から今回までの7勝をすべてこれで勝ち取っている。

適度なスピンに高弾道。打感も気に入っているというジエだが、優勝争いをしていた選手がそろってスコアを落とした17番でのスーパーアイアンショットは、信頼できるこのアイアンだからこそ。「狙い通りだった」というウィニングショットは、確かな技術と手になじんだ道具の合わせ技だった。

ちなみに、惜しくも勝利を逃し、涙を流した吉本ひかるも同じモデルを使用。「高い球が打てるし打った感触もとてもいいので使っています」と、ジエと同じコメントを残しており、セカンドショットに自信を持つという吉本の支えになっている。

「どれというわけではなく、すべてがそろっていてこそ勝てる」とは現在のクラブに対する自信と信頼の表れ。アイアンも含め、完璧なクラブセッティングの流れが完成したといってよさそうだ。契約フリーながら、勝ち癖のついたこのセッティングを変えることなく、目標とする米韓に続く3ツアー目の賞金女王に向け邁進（まいしん）する。

【申ジエのクラブセッティング（WITB＝What’s in the Bag）】
1W：キャロウェイ エピック サブゼロドライバー 8.5度
（スピーダーEVOLUTION4 569 / S / 44.75インチ）
3W：テーラーメイド M2ツアー 15度
5W：ミズノ プロトタイプ 18度
3UT：キャロウェイ GBB EPIC 20度
4UT：キャロウェイ GBB EPIC 23度
6I〜PW：ミズノ ミズノプロ518
W：キャロウェイ MD4 50,54,60度
PT：オデッセイ ホワイトホット＃4
BALL：タイトリスト Pro V1