<中京テレビ・ブリヂストンレディス 最終日◇26日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(6482ヤード・パー72)>
国内女子ツアー第12戦「中京テレビ・ブリヂストンレディス」は勝みなみの逃げ切り優勝で幕を閉じた。その勝をはじめ、2位の河本結、7位タイの吉本ひかる、10位タイの小祝さくらとトップ10に4人の黄金世代が入るなどフレッシュな面々が活躍したが、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が気になったのは復活を期すベテランだった。
ツアー屈指のショットメーカー 笠りつ子の絶頂期【スイング連続写真】
■絶頂期を取り戻しつつあるショットの精度
注目したのは14位タイに入った笠りつ子。 2016年にはシーズン2勝を挙げ、出場33試合中トップ10入りが22試合で賞金ランク3位と気を吐いたショット巧者は、翌17年も優勝こそなかったがトップ10入りが11試合で賞金ランク15位に入った。しかし、昨年賞金ランク52位に落ち込み8年間守ったシードを喪失。苦しい一年となってしまった。
だが、今季は、出場12試合中予選落ちは2度のみ。2週前の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で4位タイに入るなど安定。絶頂期の様相を取り戻しつつある。辻村氏も「笠選手はもともとショットメーカー。ドライバーも飛んで曲がらない、アイアンは高くて止まるフェードボールが持ち味です。そのショットが全盛期よりも落ちていない」と見ている。
スタッツを見れば、16、17年とパーオン率2位。17年はトータルドライビング1位とショットに関する数字は軒並み上位につけている。18年はパーオン率13位、トータルドライビング21位となったが、今季はパーオン率11位、トータルドライビング7位。本大会ではパーオン率81.48%をマークした。
■ショットメーカーの要はパター
絶頂期に比べて沈んだとはいえ、18年はショットもそこまで落ちていない。成績を左右するのはパターだと辻村氏は語る。「16年は平均パット数が10位。笠選手のショットがあれば、パターでそれだけ上位につけていれば素晴らしい。今季は59位で、当時に比べて入らなくなっているのは事実。いいときは球の転がりが重く勢いもよかったのですが、今は打ち切れていない印象です」。
アマチュア選手などでも、“打たないと”と思えば思うほどストロークが速く小さくなりがち。大きくゆったりとストロークした方が球は伸びるという。
チャンスにつけてもパターが入らない。そうなるとショットでよりピンに絡めなければいけなくなるなど、ゴルフ全体のリズムも崩れてくる。「練習場で見ていると、すごく良い感じでショットを打っているのでパターが30位くらいまで上がってくれば、さらに活躍のチャンスが増えてくると思います」と辻村氏は語る。
■不振の1年を経て、努力が実るのを待つのみ
もともと打ち込むタイプの選手だが、今年のオフはとくに熱心に取り組む姿が見られたという。「ハワイ合宿の時に同じコースで見ていたのですが、朝9時から6時間ほど打ち込んでいました。昨年(の不振)はお母様が亡くなられた影響もあったと思います」と辻村氏は語る。
ゴルフ以外でも、考え事や不安要素が増えると集中力も散漫になり、ここぞというときで粘りが効かなくなってしまう。それを乗り越え、「色々なことがあったと思いますが、やはり勝ちたいという思いは強いと思う。昨年とは違い上位で戦えるようになってきているので、それを何度も繰り返せば、そのうちに優勝のチャンスが来ると思う」と期待をかけた。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ。
国内女子ツアー第12戦「中京テレビ・ブリヂストンレディス」は勝みなみの逃げ切り優勝で幕を閉じた。その勝をはじめ、2位の河本結、7位タイの吉本ひかる、10位タイの小祝さくらとトップ10に4人の黄金世代が入るなどフレッシュな面々が活躍したが、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が気になったのは復活を期すベテランだった。
ツアー屈指のショットメーカー 笠りつ子の絶頂期【スイング連続写真】
■絶頂期を取り戻しつつあるショットの精度
注目したのは14位タイに入った笠りつ子。 2016年にはシーズン2勝を挙げ、出場33試合中トップ10入りが22試合で賞金ランク3位と気を吐いたショット巧者は、翌17年も優勝こそなかったがトップ10入りが11試合で賞金ランク15位に入った。しかし、昨年賞金ランク52位に落ち込み8年間守ったシードを喪失。苦しい一年となってしまった。
だが、今季は、出場12試合中予選落ちは2度のみ。2週前の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で4位タイに入るなど安定。絶頂期の様相を取り戻しつつある。辻村氏も「笠選手はもともとショットメーカー。ドライバーも飛んで曲がらない、アイアンは高くて止まるフェードボールが持ち味です。そのショットが全盛期よりも落ちていない」と見ている。
スタッツを見れば、16、17年とパーオン率2位。17年はトータルドライビング1位とショットに関する数字は軒並み上位につけている。18年はパーオン率13位、トータルドライビング21位となったが、今季はパーオン率11位、トータルドライビング7位。本大会ではパーオン率81.48%をマークした。
■ショットメーカーの要はパター
絶頂期に比べて沈んだとはいえ、18年はショットもそこまで落ちていない。成績を左右するのはパターだと辻村氏は語る。「16年は平均パット数が10位。笠選手のショットがあれば、パターでそれだけ上位につけていれば素晴らしい。今季は59位で、当時に比べて入らなくなっているのは事実。いいときは球の転がりが重く勢いもよかったのですが、今は打ち切れていない印象です」。
アマチュア選手などでも、“打たないと”と思えば思うほどストロークが速く小さくなりがち。大きくゆったりとストロークした方が球は伸びるという。
チャンスにつけてもパターが入らない。そうなるとショットでよりピンに絡めなければいけなくなるなど、ゴルフ全体のリズムも崩れてくる。「練習場で見ていると、すごく良い感じでショットを打っているのでパターが30位くらいまで上がってくれば、さらに活躍のチャンスが増えてくると思います」と辻村氏は語る。
■不振の1年を経て、努力が実るのを待つのみ
もともと打ち込むタイプの選手だが、今年のオフはとくに熱心に取り組む姿が見られたという。「ハワイ合宿の時に同じコースで見ていたのですが、朝9時から6時間ほど打ち込んでいました。昨年(の不振)はお母様が亡くなられた影響もあったと思います」と辻村氏は語る。
ゴルフ以外でも、考え事や不安要素が増えると集中力も散漫になり、ここぞというときで粘りが効かなくなってしまう。それを乗り越え、「色々なことがあったと思いますが、やはり勝ちたいという思いは強いと思う。昨年とは違い上位で戦えるようになってきているので、それを何度も繰り返せば、そのうちに優勝のチャンスが来ると思う」と期待をかけた。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、永井花奈、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ。