高校2年生だった2016年1月には、正式にジャンボこと尾崎将司の弟子となる。3年時に出場したリゾートトラストレディスは強風のため最終日が中止になり2日間競技となったものの、トータル4アンダー・16位タイでローアマを獲得するまでに成長。“ジャンボのまな弟子”としてメディアに大きく取り上げられた。だが、自身としては「プロとして通用するとは思いませんでした。もっと練習しないと」とおごることなく、より気を引き締めた。
17年に高校を卒業して初のプロテストを受験。だが、ここは「思い出したくもないくらい悔しかった」と語る場所になってしまう。最終日の10番ホールで、1度目のティショットが送電線に当たると、打ち直しとなった2度目のティショットをまさかのロスト。結局、この2打が足りず不合格となった。「何も考えられなかった」というほど落ち込むが、師匠から「おまえ何歳だよ。10代じゃねぇか。まだ若いんだから」と言われて立ち直る。
同年の「日本女子オープン」で臨時登録プロとしてプロデビュー戦を飾る。その年のQTでは単年登録が可能となるサードまで進むと、18年のステップ・アップ・ツアーの開幕戦でいきなり優勝。その後、ステップでもう1勝を挙げて、レギュラーツアー「サイバーエージェント レディス」でも7位タイに入るなど活躍。リランキングで後半戦の出場権を得ると、順調に賞金を重ねて「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で4位タイに入り初シードを決めた。また、この年のプロテストに合格し、正会員となる。
だが、周囲の期待とは裏腹に日に日に自信を失いかけていたという。「最初は“勝てるんじゃないかな”って普通に思っていました。(ステップ・アップ・ツアーで)勝てたこともあって、変な自信がありました。“自分を分かっていない”とジャンボさんから何度も怒られていました。ですが、ツアーの厳しさを知って“私って優勝できるのかな”って不安な気持ちと、どうしたら勝てるんだろうという気持ちがありました」。オフに必死に練習してきたが、今季も中々結果が出ず心が折れかけるところでこの日の初優勝。「すごく意味のある一勝だと思います」と目を輝かせた。
このように才能が花開いたのはほとんどプロとなってから。それ故、黄金世代と呼ばれること、そして同級生に対しても「ジュニアの時に戦ってこなかったからこそ、あまりライバル意識はないですね。勝ったときは『おめでとう』ともちろん思います。ですが、自分には自分のやるべきことがある」と勝や新垣といったアマチュア時代から名を馳せた選手たちと比較すると、やや一歩引いた目で見ているようだ。
優勝会見で、「いつかは海外というのは頭にあります。将来的には世界一を目指したい」と話した20歳。大器晩成な大型プレーヤーは、ジュニア時代に獲れなかった分までタイトルをたくさん積み上げる。(文・秋田義和)
17年に高校を卒業して初のプロテストを受験。だが、ここは「思い出したくもないくらい悔しかった」と語る場所になってしまう。最終日の10番ホールで、1度目のティショットが送電線に当たると、打ち直しとなった2度目のティショットをまさかのロスト。結局、この2打が足りず不合格となった。「何も考えられなかった」というほど落ち込むが、師匠から「おまえ何歳だよ。10代じゃねぇか。まだ若いんだから」と言われて立ち直る。
同年の「日本女子オープン」で臨時登録プロとしてプロデビュー戦を飾る。その年のQTでは単年登録が可能となるサードまで進むと、18年のステップ・アップ・ツアーの開幕戦でいきなり優勝。その後、ステップでもう1勝を挙げて、レギュラーツアー「サイバーエージェント レディス」でも7位タイに入るなど活躍。リランキングで後半戦の出場権を得ると、順調に賞金を重ねて「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で4位タイに入り初シードを決めた。また、この年のプロテストに合格し、正会員となる。
だが、周囲の期待とは裏腹に日に日に自信を失いかけていたという。「最初は“勝てるんじゃないかな”って普通に思っていました。(ステップ・アップ・ツアーで)勝てたこともあって、変な自信がありました。“自分を分かっていない”とジャンボさんから何度も怒られていました。ですが、ツアーの厳しさを知って“私って優勝できるのかな”って不安な気持ちと、どうしたら勝てるんだろうという気持ちがありました」。オフに必死に練習してきたが、今季も中々結果が出ず心が折れかけるところでこの日の初優勝。「すごく意味のある一勝だと思います」と目を輝かせた。
このように才能が花開いたのはほとんどプロとなってから。それ故、黄金世代と呼ばれること、そして同級生に対しても「ジュニアの時に戦ってこなかったからこそ、あまりライバル意識はないですね。勝ったときは『おめでとう』ともちろん思います。ですが、自分には自分のやるべきことがある」と勝や新垣といったアマチュア時代から名を馳せた選手たちと比較すると、やや一歩引いた目で見ているようだ。
優勝会見で、「いつかは海外というのは頭にあります。将来的には世界一を目指したい」と話した20歳。大器晩成な大型プレーヤーは、ジュニア時代に獲れなかった分までタイトルをたくさん積み上げる。(文・秋田義和)