また、ミスした時に「状況を楽しむ」方向に自らを導く、というのも今まではできなかった部分だと話す。「これまではミスをすると、できない自分にイライラしたりしたけど、自然のなかでやるスポーツなので、『まあ、そういうこともあるか』って思うようにしている。本心ではないかもしれないですが、どんどん自分をコントロールできるようになってきました」。

そして、大きいのが“ゴルフを楽しむ”という気持ちを持つことだった。他の選手のコメントを読んだり、周りから何かを吸収しようと思った時、23歳の目に映るのは、楽しそうにゴルフをする若手選手の姿だった。「自分は中堅に入りかけているけど、若い選手くらい楽しくゴルフをしたいなって、ここ1、2カ月くらい思っています。そこが自分との差をかなり感じた部分です」。だんだんと、そう思えるようになったからこそ、冒頭のような言葉もサラッと言えるようになった。

「細かく考えても仕方がないので、とりあえず楽しむことって自分に言い聞かせながらプレーしていきたい。まだ、素直にはそう思えていない部分もあるので」。“言霊”という言葉があるように、言い続けていればそれはいつか現実のものになる、という考え方もある。優勝に足りないと感じるものを埋めながら、柏原が残る3日間のラウンドに向かう。