3人の“塾生”が声をそろえて「優しい」と話す佐伯だが、本人からは「怒りますよ」という言葉も。「時々、遠足みたいな練ランをするので(笑)。『そんなんだったら他に行ってもいいよ』って。こういうことで、どんどん大人になっていくんでしょうから」。そう言って、目を細めた。
田中は「私はメモを取らないこととかを怒られます(笑)。実際に教わった通りにやってみて、『これいい!』と思っても、すぐ忘れちゃうみたいなことが多くて…『メモを取りなさい』って言われます」と、その内容について話す。だけど、「私たちのことを思って言ってくれているのが伝わってきます」と、その真意はしっかりと感じている。
若手を教えることについて佐伯は、自身が3人と同じくらいの年代だった時と重ねながら、こう話す。「今はたくさんの世代が活躍してますけど、私達の時代は、周りは先輩ばかり。『見て覚えなさい』みたいな雰囲気もありましたけど、今の子は聞いたりもできないらしくて。そういう世代なんでしょうね」。この“時代の変化”を感じ、教えることをいとわない。
だが、すべてを教えないのも“佐伯流”だ。「どこがいいのか、あるいは悪いのか、ミスの原因が分かっていれば、ある程度修正できるはず。“どんな動き”をしたら、“どういう球が出る”のか。そして、そのためには、“どうするべきか”を教えています。だけど、やり方を教えてしまうと、それしかやらなくなってしまうので、ヒントを与えて考えさせないと」。試合の時、最後に判断をするのは、もちろんこの3人。それもあって、最後は自らで解決できるような道を示すだけだ。
「聞きやすい人がそばにいるのは心強いですね」(山路)、「深いラフの打ち方とか、技術だけでなく経験も伝えてくれるのはありがたいです」(菅沼)、「LINEでもすぐに教えてくださるし、動画も見て指摘してくれる。人見知りの私にとっては、話せる人も増えるのでツアー会場自体が楽しくなりました」(田中)。それぞれが、それぞれに“効果”を感じ、成長の糧にしている。
最後に、佐伯に選手が選手を教えることの難しさを聞いてみた。すると、「それで勝ってくれたらうれしいですし、踏み台にしてください(笑)」という答えが返ってきた。先輩から後輩へ受け継がれたものが、また次の世代へと伝わっていく。女子ツアー会場で、そんな一幕を見た気がした。(文・間宮輝憲)
田中は「私はメモを取らないこととかを怒られます(笑)。実際に教わった通りにやってみて、『これいい!』と思っても、すぐ忘れちゃうみたいなことが多くて…『メモを取りなさい』って言われます」と、その内容について話す。だけど、「私たちのことを思って言ってくれているのが伝わってきます」と、その真意はしっかりと感じている。
若手を教えることについて佐伯は、自身が3人と同じくらいの年代だった時と重ねながら、こう話す。「今はたくさんの世代が活躍してますけど、私達の時代は、周りは先輩ばかり。『見て覚えなさい』みたいな雰囲気もありましたけど、今の子は聞いたりもできないらしくて。そういう世代なんでしょうね」。この“時代の変化”を感じ、教えることをいとわない。
だが、すべてを教えないのも“佐伯流”だ。「どこがいいのか、あるいは悪いのか、ミスの原因が分かっていれば、ある程度修正できるはず。“どんな動き”をしたら、“どういう球が出る”のか。そして、そのためには、“どうするべきか”を教えています。だけど、やり方を教えてしまうと、それしかやらなくなってしまうので、ヒントを与えて考えさせないと」。試合の時、最後に判断をするのは、もちろんこの3人。それもあって、最後は自らで解決できるような道を示すだけだ。
「聞きやすい人がそばにいるのは心強いですね」(山路)、「深いラフの打ち方とか、技術だけでなく経験も伝えてくれるのはありがたいです」(菅沼)、「LINEでもすぐに教えてくださるし、動画も見て指摘してくれる。人見知りの私にとっては、話せる人も増えるのでツアー会場自体が楽しくなりました」(田中)。それぞれが、それぞれに“効果”を感じ、成長の糧にしている。
最後に、佐伯に選手が選手を教えることの難しさを聞いてみた。すると、「それで勝ってくれたらうれしいですし、踏み台にしてください(笑)」という答えが返ってきた。先輩から後輩へ受け継がれたものが、また次の世代へと伝わっていく。女子ツアー会場で、そんな一幕を見た気がした。(文・間宮輝憲)