先週の「ゴルフ5レディス」でもそうだったのだが、国内女子ツアーの優勝決定シーンで、“意外にも”あまり目にしない光景がある。それが『祝福のウォーターシャワー』だ。例えば、男子ゴルフの国内ツアーでは、今や“お約束”にもなっているこのシーン。米国の女子ツアーでも見るし、他競技でもプロ野球のサヨナラの場面や、水ではないがF1のシャンパンファイトなど、どこか“スポーツの歓喜の場面=水浸し”みたいなイメージはある。
上田桃子は“女性らしい”フラワーシャワーで祝福されました【写真】
だがゴルフの国内女子ツアーでは、あまり見ない気が…。5月に行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で渋野日向子がツアー初優勝を挙げた時には、同期の河本結、菅沼菜々や親交の深い大出瑞月、大里桃子からウォーターシャワーで祝福され、その後の記者会見でも「こんなに早く水をかけてもらえるとは思わなかった」と初勝利のよろこびを表現していたが…、特にこれ以降まったく見かけなくなったシーンだ。これって、なんで? それには実は理由があった。
その理由は明白で、女子ツアーとして、ウォーターシャワーを自粛しているのだ。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の理事を務める森本多津子氏に話を聞いた。すると、この自粛理由について、こう説明する。「2011年に起こった東日本大震災がきっかけで、ツアーとして自粛の方針を打ち出し、選手にも通達しました。当時は水が不足しているという背景もあったため、その状況で『水をかけるのはよろしくない』という判断をしました」。そして、それ以来、この方針が貫かれているという。
さらに、もう1つ大きな理由があるのだが、それが実に女子のスポーツ団体らしいものだった。「優勝後には、すぐに表彰式からの写真撮影という流れになりますが、女子選手としてウェアが水浸しのままで…というのは、あまりよろしくないというのも理由にあります」。確かに、ウェアが濡れたままというのは、女子選手にしてみれば人目が気になるだろうし、そのために着替えたり、タオルで拭く時間などを設けると、進行が遅れる原因にもなる。他にもグリーンの保護の観点もあるが、大きな理由は上記の2つだという。
だが、これは特に“禁止事項”として明文化されているわけでもなく、あくまで口頭ベースで選手に伝えられているもの。最近では、「私たちの伝え方が足りない部分もありましたが、毎年新しい選手が入ってきて、自粛ということを知らない人も増えてきた」(森本氏)。そんな事情もあって生まれたのが、あのサロンパスカップの優勝シーンというわけだ。“口頭伝承”のものが風化してしまう…、ということは何も女子ツアーに限った話ではない。
上田桃子は“女性らしい”フラワーシャワーで祝福されました【写真】
だがゴルフの国内女子ツアーでは、あまり見ない気が…。5月に行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で渋野日向子がツアー初優勝を挙げた時には、同期の河本結、菅沼菜々や親交の深い大出瑞月、大里桃子からウォーターシャワーで祝福され、その後の記者会見でも「こんなに早く水をかけてもらえるとは思わなかった」と初勝利のよろこびを表現していたが…、特にこれ以降まったく見かけなくなったシーンだ。これって、なんで? それには実は理由があった。
その理由は明白で、女子ツアーとして、ウォーターシャワーを自粛しているのだ。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の理事を務める森本多津子氏に話を聞いた。すると、この自粛理由について、こう説明する。「2011年に起こった東日本大震災がきっかけで、ツアーとして自粛の方針を打ち出し、選手にも通達しました。当時は水が不足しているという背景もあったため、その状況で『水をかけるのはよろしくない』という判断をしました」。そして、それ以来、この方針が貫かれているという。
さらに、もう1つ大きな理由があるのだが、それが実に女子のスポーツ団体らしいものだった。「優勝後には、すぐに表彰式からの写真撮影という流れになりますが、女子選手としてウェアが水浸しのままで…というのは、あまりよろしくないというのも理由にあります」。確かに、ウェアが濡れたままというのは、女子選手にしてみれば人目が気になるだろうし、そのために着替えたり、タオルで拭く時間などを設けると、進行が遅れる原因にもなる。他にもグリーンの保護の観点もあるが、大きな理由は上記の2つだという。
だが、これは特に“禁止事項”として明文化されているわけでもなく、あくまで口頭ベースで選手に伝えられているもの。最近では、「私たちの伝え方が足りない部分もありましたが、毎年新しい選手が入ってきて、自粛ということを知らない人も増えてきた」(森本氏)。そんな事情もあって生まれたのが、あのサロンパスカップの優勝シーンというわけだ。“口頭伝承”のものが風化してしまう…、ということは何も女子ツアーに限った話ではない。