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初めてでも“らしさ”十分 宮里藍はジュニアゴルファーに何を学んで欲しかったのか

初めてでも“らしさ”十分 宮里藍はジュニアゴルファーに何を学んで欲しかったのか

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年9月24日 03時16分

また、「色んな角度からその選手を見て、その選手に合ったコーチングをしてくれるので、決して型にはまりません」という一文も。多くのジュニアゴルファーに“コーチ”がつくなかで、その指導の邪魔をすることなく、且つ自身がとても大事だと感じたメンタルトレーニングについて学んでもらうことが狙いだった。

宮里がメンタルトレーニングを相当に意識していたのは、プログラムからも明らかだった。自身も師事した『Vision54』のピア・ニールソン、リン・マリオットの2人を呼んだことはもちろん、練習ラウンドとなるイベント初日にレッスン。それを踏まえた試合初日を終えた後に1時間とってフィードバック、そして試合2日目に向けたレッスンと2段階に分けた。ただの座学でなく、学んで、プレーして、振り返る。一連の流れを学んでもらうことができるように組まれていた。

中学生、高校生という年代もとても大事だ。「色々なことが入ってくる前に、これから彼女たちが受けるであろうプレッシャーにも備えて、早い段階で自分とゴルフの具体的なことを知るスキルをVision54を通じて学んで欲しいと思った」。つまり、彼女たちがプロになったときのことまで見据えて、今回のイベントは考えられている。

また、参加したジュニアゴルファーの親への取り組みも宮里ならではだった。同じく練習ラウンドとなった初日に講習会を行うと、イベント最終日となる試合2日目にも子どもがプレーしている間に講習会を行った。

「サポートする親御さんも難しいと思うんですよね。私もそうでしたが、プロになるのかどうか、ゴルフをどうワンランク上げるのか。親御さんは時として、コーチとはまた違った微妙な立場になるときがある。みなさんで情報共有して、どうすればいいのかの力になれればと思いました。私は親ではないので自分の経験を元にお話しさせていただきましたが、すごくいい時間だったと思います」

こうした自身の考え、経験をふんだんに取り入れたイベントは無事にすべてのプログラムを終了した。試合で優勝し、『宮里藍プロとのエキシビションラウンド』、『宮里藍サントリーレディスの予選会への出場権』(こちらはスコア上位5名)の権利を掴んだ東北高校の2年生・鶴瀬華月は「いつもはメンタルが弱くて決断力もない自分ですが、とても勉強になりました。初日を終えた後にフィードバックできて、まだ思考ボックスでしっかり決断できていなかった。それを2日目に意識したらかなりできるようになりました」とメソッド、そしてフィードバックの大事さを、試合を通じて学んだ様子だった。

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