とはいえ、ギアへのこだわりのすごさは伝わってくるが、樋口は何十年も前にツアーから退いており、出場するのは基本的にプロアマ戦のみ。もちろん、数多の成績を残してきたレジェンドとして「恥ずかしいプレーはできない」という矜持(きょうじ)はあるだろう。そんなプライドが透けて見えたし、かっこいいと純粋に思った。だが、同時に失礼ながら、プロアマなのにそこまでギアにこだわる必要があるのだろうか、という思いも少なからずあったことも、また事実だった。
そこで失礼ながら、本人に直接聞いてみることにした。『どうしてそこまでギアにこだわっているんですか?』。想定してなかったという笑みを浮かべながら返ってきた答えは、想像以上にシンプルなものだった。
「うまくなりたいからですよ」
たったそれだけのことだった。続けて、「そのくらい悩んでいるということです(笑)。今よりももっと良くなろうとしているんです。それはいくつになったって変わりません」と言った。73歳になってなお、向上心は尽きることがないと笑いながら。
今季、渋野が日本勢として史上2人目となる海外女子メジャー優勝。まだ20歳という若さで栄冠をつかんだホープは「まだまだ下手くそです」を口癖として、今大会の2日目にも3時間以上練習するなどツアーでも屈指の練習量を誇る。ビッグタイトルを制してなお、上昇志向は衰えることはない。
だが、42年前に日本勢どころかアジア勢として初めてメジャーで勝利した先人もまだまだうまくなろうとしていた。この圧倒的な思いこそが、海外女子メジャーを制するための最低条件なのだろうと感じた一幕だった。
そこで失礼ながら、本人に直接聞いてみることにした。『どうしてそこまでギアにこだわっているんですか?』。想定してなかったという笑みを浮かべながら返ってきた答えは、想像以上にシンプルなものだった。
「うまくなりたいからですよ」
たったそれだけのことだった。続けて、「そのくらい悩んでいるということです(笑)。今よりももっと良くなろうとしているんです。それはいくつになったって変わりません」と言った。73歳になってなお、向上心は尽きることがないと笑いながら。
今季、渋野が日本勢として史上2人目となる海外女子メジャー優勝。まだ20歳という若さで栄冠をつかんだホープは「まだまだ下手くそです」を口癖として、今大会の2日目にも3時間以上練習するなどツアーでも屈指の練習量を誇る。ビッグタイトルを制してなお、上昇志向は衰えることはない。
だが、42年前に日本勢どころかアジア勢として初めてメジャーで勝利した先人もまだまだうまくなろうとしていた。この圧倒的な思いこそが、海外女子メジャーを制するための最低条件なのだろうと感じた一幕だった。