ちなみに結婚が今回の決断の理由ではないようだ。谷口に決断を相談した際、「まだやれるんじゃない？　QT受けてやりたいと思うときがきたらやればいい」と言われたという。それでも「気力と体力を振り絞ってやろうとするたびに痛くなることの繰り返し。気持ち的にしんどい」と自らの気持ちを選んだ。

「はっきり決断したタイミングはないです」と話すが、すでに「樋口久子 三菱電機レディス」のときには決断していた。「理香子に今シーズンQTを受けないという話をしたら、“じゃあ私がキャディする！”となりました」と13年賞金女王の森田理香子とのコンビを結成。6試合ぶりに予選を突破して23位タイに入ったが、「それでも気持ちは変わらなかったです」という。

158cmと決して体格に恵まれないなかで、12年間レギュラーツアーで戦い続けた一ノ瀬。「そこに関しては頑張れたかなと思います」。いよいよ1つの集大成を迎える。「両親だったり、応援してくださった方もきてくれます。もちろん優勝を目指して頑張ります。笑顔で終わりたいですね」。ラストダンスを最高のスマイルで締めくくる。（文・秋田義和）