＜LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2日目◇29日◇宮崎CC（宮崎県）◇6535ヤード・パー72）＞

ホールアウト直後から厳しい言葉が口をつく。「何一つうまくいかない。フラストレーションが溜まる」。賞金ランキング1位で女王争いの中心にいる鈴木愛は、1バーディ・2ボギーのゴルフにそう吐き捨てた。

気づけばもう2年前…鈴木愛の賞金女王戴冠を写真で振り返る

いいショットを打っても縦の距離が合わない。いいパットをしても芝目にやられる。そんな展開にイライラが止まらない。「一つひとつはいいのにスコアに結びつかない。楽しく回ろうと思ったがここまで悪いとプラス思考になれない」。12番では5mのバーディパットを「完璧に打った」がカップの周りをくるり。結局、首位と8打差のトータル1オーバー・17位タイ。「あしたもいいことがなかったら、もう帰りたい（笑）」と口をつく冗談もネガティブなものが目立つ。

思い返せばここで苦しむのは、2年前に賞金女王争いをしたときと一緒。その時の2日目はバーディなしで「ずっとため息」、3日目にも伸ばせず「不満が残る内容です」。デジャブかのような流れが続いているが「似た感じで行きたくない！」と同じ轍を踏むつもりはない。「去年も優勝争いして勝てなかった。今年は勝てないにしても来年に向けていいイメージにしたい」。そのためにはビッグスコアが必要だ。

「いつもはラウンド後の練習では音楽は聴かないけど、今日は聴きながらやって落ち着きたいと思う。アップテンポの曲は余計怒りが激しくなるので、終わるまでバラードを聴いています（笑）」と切り替え方法は分かっている。状態は悪くないだけに、残り2日に向けてしっかりと心を整理したい。プラスに考えれば、女王になったときと同じ流れなのだから。（文・秋田義和）